022 ページ23
「なにこれ……」
とあるチケットサイトでRe:valeのコンサートチケットが高値で売買されていると噂があるみたいで、それを確かめるためにアクセスをしてみたら。
「どうやら、先日のゼロ復活騒動で、こけら落とし公演でゼロが復活するんじゃないかという噂が広まっているみたいです」
「そんな……！主役はRe:vale、二人なのに！」
ズラリと並ぶ、定価の何倍にも膨れ上がった金額に、言葉が出なかった。そして、もうひとつ。送られてきた脅迫のような文書。
「"五周年コンサートでゼロの曲を歌えば、ゼロアリーナは大惨事に見舞われる"……ね、」
送られてきたものをシワができるほど強く握る。こんなもので、あの二人の気持ちを台無しになんてしたくなかった。
「どうしますか？」
「当日の警備体制を増やしましょう。頑張っている二人の邪魔はさせない」
そんな最中に、事務所に一本の電話が入った。
「はい、そう言う事でしたら、自分たちも協力させていただきます。はい。よろしくお願いします」
そう言って、電話を切ったおかりん。
「八乙女事務所からの連絡でした。こけら落としのイメージ改革を行うそうです。こけら落としに好意的な大物タレントをCMに起用してコメントしてもらって、マイナスなイメージを塗り替える作戦だそうです」
「そういうことなら、」
さすがは八乙女事務所。情報操作はお得意みたいだ。こけら落とし公演まであと二週間。イメージ改革は八乙女事務所に任せることにしよう。
「あとは……、二人のことかな」
未だにモモくんは歌えないままだ。あれ以来、ユキくんとモモくんの間に、わだかまりがあるようには見えない。と、すればやっぱり……、
「バンさんのことが気がかりなのかな」
バンさん……。私も彼のことは知っている。モモくんに連れられて、何回かライブに行っている。前は、モモくんとセットで認知もされていた。長身の、好青年なイメージのバンさん。
「いま、どこで何をしているんですか−−？……って、ここで考えてもしょうがないよね」
元相方のバンさんが見つかれば。会うことができれば、きっとユキくんも吹っ切れる。そして、モモくんも。きっと……歌えるようになる。情報は多い方がいいだろうと。
「よし、小鳥遊事務所まで行ってみよう」
IDOLiSH7にも協力をしてもらおうと、私は行動を移した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凛々瑚 | 作成日時：2018年3月16日 23時
