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「ねぇ、IDOLiSH7。ゼロアリーナのこけら落としの話、知ってる？」
「はい……。噂では、Re:valeさんに決まってるって」
収録が終わり、口々にお疲れ様、が飛び交う中、モモくんが切り出したのは今はリニューアル工事中のゼロアリーナのこけら落とし公演のことだった。こけら落としは三日間行われる。
「俺たちだけじゃない。初日がTRIGGER、最終日が俺たち」
「中日のグループは、まだ決まってない。ここに入りたくないか？」
Re:valeからの提案にIDOLiSH7はやりたいです！と返す。
「なら、１回まわって、ワンって言ってごらん」
「えっ……」
ユキくんが陸くんをからかって、そんな事を言う。まさか、やるわけないよね、と思うも、陸くんは恥ずかしがりながらも本当にやっちゃうから、笑いを耐えるのに必死だ。ダメだ、陸くんの頭に耳があるように見えるよ……！
「えっ、どこまでが嘘！？こけら落としの話もですか！？」
「そっちは本当！決定するのはゼロアリーナの総支配人だけどね！」
Re:valeが全力でIDOLiSH7を推しておくよ、と。
「チャンスを掴んで、ここまで昇っておいで」
仕事終わりにRe:valeとIDOLiSH7と一緒にご飯に行く事になり、和気藹々とした雰囲気が続いている。
「これから紡ちゃんって呼んでもいい？」
「え……あっ、ぜひ！仲良くしてください！」
「もちろん！女の子同士仲良くしましょ！私の事も、Aでいいからね」
「じゃあ、Aさん、と、呼ばせていただきますね」
紡ちゃんはふわりと笑って。女同士の話をしたりして盛り上がった。
「Aさん」
「あ、陸くん！収録お疲れ様！」
少したった頃、紡ちゃんはメンバーに呼ばれて行ってしまう。それと入れ替わりに陸くんが隣に座った。
「ハーブティー、ありがとうございました。だいぶ楽になりました」
「そう、良かったわ」
「あのっ、俺……」
「話辛いことなら、言わなくてもいいよ。誰にでも、隠したいことはあると思うから」
「Aさん……すみません……」
ほんとに陸くんは犬みたいだなぁ、なんて思ってると、離れたところから、あー！なんて叫び声が聞こえてくる。
「陸がAに手ェ、だしてる！」
「え！？だっ、出してないです……！」
真っ赤になっている陸くんに、モモくんがくってかかる。両グループ、仲良くなったみたいで、嬉しかった。
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作者名：凛々瑚 | 作成日時：2018年3月16日 23時
