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五条さんとデートに行く週末まであと三日
まだ時間も仕事も山ほどあるのに考えるのはそのことばかり
一応メイクやヘアセットなんかは色々調べて勉強したし、洋服も新しく花柄の可愛いワンピースを買った
準備はバッチリ整っていて、あとは週末を待つのみなのになぜこんなに落ち着かないのか
答えは簡単
あの五条さんと恋人で、しかもデートだなんて、なんて現実味の薄い話なのだろう
そんなふうにここ数日間ぐるぐる同じ事を考え続けている

任務中の術師の方々を待つ車内はなんだか落ち着かなくていつも車の周りをウロウロしてしまう私だが、今日は週末のデートでいつも以上にそわそわウロウロしていた
すると前方から目を抑えている女の子とその子を励ますように話しかけている女の子の二人組が歩いてきた

「元気だしなよ〜」

「だって…まだ付き合って二ヶ月だったのにっ…初デートで振られるなんて悲しいし悔しいしでもうわけわかんないよ!」

うわぁんと泣いて去って行った二人に背筋が凍りつく

「恋人」「デート」の単語に夢ばかり見ていたが、今回のデートで振られることだって十分あるんだ
付き合ったら終わりじゃないんだ

知っていたはずの当たり前の事に今更ながらに気付いた私は顔面蒼白になりながら車内に引っ込んでいった

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作者名:ナノ | 作成日時:2021年4月21日 23時

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