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しばらくの沈黙が続いた後、百くんが最初に口を開いた。


「あの、さっきはユキがごめん……」
「いいえ、気にしないでください!すぐにお返事出来なかった私にも非がありますし」


私は思っていたことを全てお話した。さっき千さんに話した時に通話が繋がっていたらしいから聞こえていたかもしれないけれど。
自分じゃ釣り合わないんじゃないか、
釣り合わないと世間から叩かれるのではないか、
ファンの子達が嫌な思いをするんじゃないか、
でも嬉しい、
私なんかじゃ、


「と言うわけで、3日も返事を出来ずに……」
「なるほどね、ごめんね。そんなに悩ませるつもりじゃなかったんだ」
「謝らないでください……」


百くんは少し困ったような顔をした。
それは困るだろう。


「でも、Aちゃん。これで付き合えませんって言われて簡単にそっかとは言えない」
「え」
「Aちゃんだから好きになったし告白した。だから、Aちゃんに迷惑かけないように頑張るし、Aちゃんが望むなら公表できないように事務所にお願いして色々する」


「だから、お願いします……オレの彼女になってください」


百くんは私の目を真っ直ぐに見てそう言った。
そんなこと言われたら「はい」と返事するしかないじゃないか。


「本当に私でいいんですか?」
「Aちゃんがいいんだよ」
「……よ、よろしくお願いします」


私がそう返事をすると百くんの顔がぱっと、明るくなった。
「やったー!」と大きな声で言いながら私に抱きつく百くん。
お忘れかと思うが私は貴方のファンなのだ。
そんなことされたら死んでしまう。


「外!ここ!週刊誌!」
「お、おわっ、ごめん」


百くんはお預けを食らった犬のようにシュンとした。

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なつめみく - 最近のスレもいいけど少し前のスレもすき。やっぱセンスありすぎるよこのひとっTE⭐ (9月24日 20時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
お寿司ごりごり(プロフ) - 柚木なずなさん» コメントありがとうございます(^^) そう言っていただけて嬉しいです! (2020年7月19日 6時) (レス) id: b110c74a4d (このIDを非表示/違反報告)
柚木なずな - この作品を作ってくれてありがとうございます!ドキドキしっぱなしです/// (2020年7月19日 0時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お寿司ごりごり | 作成日時:2020年5月29日 0時

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