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「・・・違う。あなた、わたしの知ってるサンズじゃない」
「・・・」
「あなたも、別の世界のサンズなの?」
「・・・あーあつまんない。こんなすぐにバレちゃうなんて」
「え?」
そいつが振り返ると同時に何かが飛んできた。
それはリクの顔を掠めてカラン、と乾いた音を立てて落ちた。
「あはは!さいこーだねその顔!どう?驚いた?怖かった?」
「ぁ・・・ぁぁ・・・」
心底嬉しそうに笑うそいつの目からは黒い液体が流れ出て気味悪さを引き立たせてた。
何なんだあの野郎。何で急に攻撃してきやがった?
「そこの二人もカワイソウだね。普通に暮らせてたはずなのにこんな事になるなんて」
「何を言っているのだ?何で俺様達を・・・」
「君達はついでだよ。一番の目的は、そこで間抜け面してる人間だけ」
リクに?何でこいつがリクを狙うんだ。
短い間だがこいつを見てて特別な何かがあるようには見えなかった。
ニタニタ笑うそいつの手には真新しいナイフが握られてる。
「こいつが、なんだってんだよ」
「知りたい?そうだなぁ・・・じゃあこれだけ教えてあげるよ」
―君達は巻き込まれただけの哀れな被害者さ―
それだけ言うとそいつは気色の悪い声で笑いやがった。
巻き込まれた?被害者だと?
どういう事かとリクを見ても目の前のあいつに怯えてるのか震えるだけで何も言わねえ。
「、ゃ・・・ハナちゃ・・・」
「君の『ヒーロー』は今頃別の場所で死んじゃってるかもね?」
「!!」
「そんな悲しい顔しないでよ。すぐに会わせてあげるからさぁ!!」
「っ!」
ナイフを手に突っ込んできたそいつは真っ直ぐリクを狙いやがった。
動かねぇリクにナイフが振り下ろされる直前、そいつが吹っ飛んで壁に叩き付けられた。
「おいおい・・・オイラの友達に、何してんだ?」
「!?」
「今度はなんだ・・・」
「サ、サンズ・・・」
暗がりから出てきたのはさっきの奴と同じ格好をしたスケルトンだった。
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