優しいと言わないで ※ハナオside※ ページ24
「サンズ・・・パップ・・・」
ソファーに座ったまま朝を迎えた。
テレビ台にある三人で取った写真を見て二人の名前を呟くと改めて寂しさに似た感情が膨れ上がった。
会いたい。二人は今どこに居るんだろう?
怪我をしてないか。病気になってないか。あんな怪物もいたから余計に心配だ。
アンダイン達の事も心配だけど、やっぱり一番に考えるのは大切な兄弟の事ばかり。
「・・・、やっぱり、最低だな。私は」
タバコを取り出すともう残り少なくなってた。
昨日だけでも結構吸ったからな・・・パップに知られたら怒られそうだ。
私の着替えや私物を入れてる引き出しを開けて着替えを引っ張りだした。
・・・後でリクも着替えさせなきゃな。
赤いパーカーから黒のパーカーに着替えて着てたやつは洗濯かごに放り込んだ。
リクの着替えも出して新しいタバコをポケットにしまうと二階で扉の開く音が聞こえた。
「おはよーさん、てどうした。すっごい隈」
「は、ははは・・・何か寝付けなくって・・・」
「・・・・・・・・、」
コーヒーすらも何か視線泳いでんだけど何この二人何かあったの?
まぁあったとしても私がとやかく言うことじゃないからいいけども。
「リクは取り敢えず着替えな。私の貸すから」
「わっぷ!・・・ハナちゃんのなんて大きくて無理だよー。サンズのならなんとかなると思うけど・・・」
「サンズは駄目。パップのなら着てないのあるけど」
「パピルスのなんかもっと入らないし!」
「もー!」とむくれるリクに「諦めろ」と諭す。
そんなやり取りを見ていたコーヒーが小さな声で笑った。
「ぷっ・・・はは・・・」
「あーあ。コーヒーにまで笑われてやんの」
「うっ・・・ハナちゃんのいじわる!」
「意地悪で結構。最高の褒め言葉だ」
「はははっ・・・!二人共・・・面白い」
これまで暗い顔ばかりだったコーヒーがやっと笑った。
それを見て私もリクも顔を見合わせて笑う。
「コーヒーくんの笑った顔可愛い!もっと笑えばいいのに!」
「え・・・か、可愛い・・・かな・・・」
「リク。コーヒーは男なんだから色男って言ってやらなきゃ。そんな顔できんだから、辛気臭い顔は似合わないよ?」
そう言ってウインクするとコーヒーの顔が赤くなった。
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