2 ※コーヒーside※ ページ19
この世界のスノーディンに着いて、ハナオはある家に連れてきてくれた。
外見も、中も僕の知る僕と兄さんの家と瓜ふたつだった。
違うのは置いてある家具とか、細かいところだけ。
何だか家に帰ってきたような安心感に少し肩の力が抜けた気がする。
ハナオが席を外してる間、テレビのある棚の隅に写真立てがあるのを見つけてリクに聞いてみた。
「?どうしたのコーヒーくん」
「『あの写真』」
「ああ。あれがこの世界のスケルトン。サンズとパピルスだよ」
写真には二人のスケルトンとハナオが映されてる。
写真に映るハナオはキャップを被ってなくて、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに微笑んでいた。
「小さい方がお兄さんのサンズで、大きい方が弟のパピルスだよ」
「(サンズ・・・兄さんと同じ名前だ・・・)」
名前は同じだけど写真のサンズとパピルスは僕と兄さんとはあんまり似てないように見える。
二人の方も幸せそうに写真に写っててすごく仲が良さそうだ。
「ハナちゃん変な所で世話焼きでね、それをパピルスが気に入っちゃって。『ハナオは姉ちゃんみたいだな!』って、それからハナちゃんは二人のお姉ちゃんなの」
「(お姉ちゃん・・・)」
「人間とモンスターだけど、ハナちゃんにとってはもう二人は大切な家族で、兄弟なんだ。わたしもトリィママとフリスク・・・もう一人の人間の子なんだけどね?二人の事を家族だと思ってる」
リクが寂しそうに視線を落とした。
そう言えば、町中のモンスターが消えたって・・・もしかしてそのモンスター達が?
大切な人が消えるなんて、僕なら兄さんが消えちゃったら不安で怖くて、耐えられないかもしれない。
「コーヒーくん?大丈夫?どうかした?」
「・・・『もし突然兄さんが消えたら、僕、耐えられないかもしれないなって』」
「コーヒーくん・・・」
「『いつも兄さんに守ってもらってばかりで、一人なんて、考えたことなくて』」
想像するだけで怖くなる。
腕を抱えて震えてたらリクがそっと腕に触れた。
「大丈夫だよコーヒーくん。きっと見つかる・・・ううん、絶対見つけよう!わたしもハナちゃんも手伝うから!」
「(リク・・・どうして、そんなに優しいの?)」
こんな状況でも他人に優しくできるなんて・・・リクだって、大切な人が急にいなくなって不安で、心配なはずなのに。
そのうちにハナオが飲み物を持って戻ってきた。
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