可能性の話 ページ13
「前にさ、兄弟の部屋で【平行世界の可能性について】って言うレポートを見た事があったんだよね」
「??」
「ハナちゃん、まさか勝手に・・・」
二人と向き合うようにしゃがんで言うとリクが信じられないとでも言いたそうな顔で見てきた。
「人聞きの悪い事を。ちゃんと入室の許可はもらってるし第一あの汚部屋誰が片付けてると思ってんの」
「それはその時にチラッと見たんだよ」と言って話を続けた。
いつ掃除しても汚いけど健全で良い子だよサンズは。
「そのレポートにはこの世界の他にもいくつか世界があって、この世界とよく似た世界・・・なんての、パラレルワールドみたいな感じらしい」
「パラレルワールド??何か急に難しくなったような・・・」
「コクコク」
「最初に思ったのはコーヒーの容姿なんだ。実を言うと、ここにもコーヒーと同じ名前のスケルトンがいる」
コーヒーは今日一の驚いた顔で私を見た。
お前さんそんな顔できるのか。
「私もスノーディンで暮らしててね。けどスノーディンでそのスケルトン以外のスケルトンを見た事がないんだよ」
「・・・、?」
「スノーディンに住んでるパピルスと聞けば一人しか思い当たらない。けどそれはコーヒー、お前さんじゃないんだ」
そう、スノーディンのパピルスは私の知る弟のパピルス・・・パップだけ。
混乱しだしたコーヒーを他所にリクが話に入ってきた。
「コーヒーくんの名前はパピルスだけどパピルスじゃないって事?」
「??、??」
「ややこしくしたな全く。コーヒーの顔見てみなよ。すっかりわけわからなくなってるじゃんか」
呆れて溜め息が出た。
リクは首を傾げながら説明を待ってる。
「コーヒーは確かにパピルスなんだよ。"この世界のパピルスじゃない"ってだけ」
「ハナちゃんが言ってたそパラレルワールドの?」
「多分。と言うかほぼ確実でしょ。弟って言うのもパップと同じだし」
「・・・・」
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