6話 ページ8
〜A side〜
『只今より、搭乗を開始いたします。ニュージーランドへのチケットをお持ちのお客様は35番ゲートよりお進み下さい。繰り返しますーーー。』
女性の綺麗なアナウンスの声が、その場に響き渡り近くに座っていた人は次々と立ち上がり搭乗を始めた。
どんどん人がいなくなりしばらくすると、その場には私と彼の荷物だけが取り残されていた。
もしかして私の不安が的中してしまったのかな？
飲み物買うだけにこんな時間かからないよね…？
あいにく彼は位置情報がバレたら困るからと、携帯は持っていない。
私は自分のキャリーバッグを片手に、彼の大きめのバックを持って立ち上がると、近くの売店を探した。
私達が搭乗するゲートよりも少し遠い距離にあったその売店には、他のお客が賑わいレジには列がある。
ひとりひとり丁寧に探していくけど、彼の姿は無かった。
ザワザワとする胸を落ち着かせ、売店の店員に話しかける。
「すいません、マスクして帽子被った人来ませんでしたか？」
店員は少し考え、でも分からなかったのか申し訳なさそうに、
「いえ…。」
と答えた。
「そうですか。ありがとうございます。」
精一杯の笑顔を向けて売店を出ると、堪えきれずその場にうずくまり大声を出して泣いた。
そこにいた人の目なんか気にならなかった。
とにかく崖から落とされたような深い悲しみが私の心を支配して他の事は何も考えられない。
彼はきっと連れ戻されてしまった。
後少しの所だった今この瞬間に、別れが訪れるなんて。
やっぱり私も一緒に行けば良かったのに、なんで大丈夫って言う彼を一人にしてしまったんだろう。
私がいれば確率は少なくとも、一緒に逃げる事が出来たかもしれないのに…。
どうして…
どうして…
そう何度も自分を責めても、時間は巻き戻ることは無い。
さっきまで笑っていた笑顔も、私を癒してくれる優しい声も、暖かい彼の温もりも、既にここにはない。
『勝手に俺の腕から出て行くの禁止。』
たった数時間前に彼が言った言葉だ。
そのままそっくり返したい。
せめてさよならくらい言わせてよ…
いきなりいなくなるなんてそんなの卑怯だよ…
こんなんじゃ私はテミンを諦めきれない…
手に持っていたニュージーランド行きのチケットはくしゃくしゃになり、私の涙で文字が滲んでいた。
それはまるで私達の描いた幸せな未来までも遠く霞んでいくように思えた。
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あやテテ(プロフ) - 凄く素敵なお話でした！ありがとうございました。私はエブリバディの"僕が奏でる笛の音で君を自由にしてあげる"(jpanese ver)のとこが大好きです。(ｼﾞｮﾝﾋｮﾝが凄く好きだったので今は胸が痛いです……。)もう一度、この作品を読み返したいと思います。 (2017年12月23日 22時) (
レス) id: 999741949f (このIDを非表示/違反報告)
himawari ?(プロフ) - 感想、返信ありがとうございます。ぜひ、聞いて見てください！ (2017年9月16日 21時) (レス) id: b8b15e0deb (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - himawari ?さん» とっても嬉しいです、ありがとうございます^^*Evilとsleeplessnight聞いたことないので早速YouTube飛んでいきます♪作品読ませていただきました！コメントしたので見てみてください^^* (2017年9月16日 14時) (レス) id: 58070ba042 (このIDを非表示/違反報告)
himawari ?(プロフ) - 私は、EvilとEverybodyとviewとsleepless nightとLuciferとRing Ding Dongが特に好きでソロ曲も好きな曲沢山あります。ちなみに、私もお話書いていたりしますので良かったら読んで頂けたら…。次の作品も楽しみに待ってます。長文失礼しました。 (2017年9月16日 13時) (レス) id: ce40dbfcd1 (このIDを非表示/違反報告)
himawari ?(プロフ) - こんにちは。全て拝見させて頂きました。世界観全てが好みでまとめて読んでしまいました…完結おめでとうございます。ハッピーエンドで良かったです(*´艸`)コメント長くなってしまう…分けますね。 (2017年9月16日 13時) (レス) id: ce40dbfcd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいる | 作成日時：2017年8月30日 1時
