逃避 ページ2
私は今座ってTVを見ている彼の肩に頭を乗せていて、彼も私の肩に手を回して寄り添っている。
僅かにトクトクと流れる彼の脈が心地よい。
いつか彼が仕事の関係者に見つかって別れなければいけない運命という事実は、私にはとても受け入れ難いものだ。
でも何かしらの方法はあるんじゃないかなって思ったりして…
「ねぇテミン、ニュージーランドはどう？」
彼は予想外の場所だったのか、少し驚きながらニュージーランド？と聞き返す。
「うん、ニュージーランドにもテミンを知ってる人はいるかもしれないけど、日本よりはマシだし治安もいいし…どう？」
この私の言葉にテミンはいいね！なんて乗り気で喜んでくれるかなぁなんて甘い事を考えていたけど、彼をチラッ見ると真顔で少し何かを考えているようだ。
そんな表情に、もしかしたらニュージーランドが嫌なのかなとか、それとも私と一緒に行くのが嫌なのかなだなんて考えていると彼は力なく話し出した。
「ごめんね…A。本当に巻き込むつもりじゃなかったんだ。なのに俺のせいで…Aの人生狂わせてるよね。」
あぁ、そんな事思ってたんだ。
つくづく優しい人だ。
でもそんな優しさは今の私には必要なくて、好きなら俺について来いぐらい言ってほしいものだ。
確かにそんな簡単には言えないほど彼が抱えている問題は大きなものなんだろうけど。
でももう覚悟は出来ている。
「ねぇ、もうごめんって言うのやめない？私がテミンとずっと一緒にいたいだけだから。それともちょっとでもまたアイドルに戻りたいなって思ってる？」
そう聞くと彼は少し食い気味に
「それは無い。」
と言った。
「確かに俺のファンに励まされて続けていたのは事実だけど、それはSHINee、アイドルとしての俺であって本当の俺ではなくて…。」
初めて話す彼の本音に、私は黙って相槌を打った。
「Aに出会って、今までSHINeeのテミンという肩書きにしがみついてきた俺が自分でもビックリするほどどうでもよくなった。」
何かを思い出したのか、少し苦しそうに前髪をかきあげた彼の唇は少し震えているように見えた。
SHINeeのテミンと言う存在を作り上げるのに、今までどれほど辛い思いをしてどれほど長い間耐えてきたのだろう。
それでもカメラの前では笑って、みんなに素敵な姿を届けて。
でも本当の俺は違うんだよって心の中で叫んでいたんだろうな…。
「もう…地獄になんて戻りたくない…。」
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あやテテ(プロフ) - 凄く素敵なお話でした！ありがとうございました。私はエブリバディの"僕が奏でる笛の音で君を自由にしてあげる"(jpanese ver)のとこが大好きです。(ｼﾞｮﾝﾋｮﾝが凄く好きだったので今は胸が痛いです……。)もう一度、この作品を読み返したいと思います。 (2017年12月23日 22時) (
レス) id: 999741949f (このIDを非表示/違反報告)
himawari ?(プロフ) - 感想、返信ありがとうございます。ぜひ、聞いて見てください！ (2017年9月16日 21時) (レス) id: b8b15e0deb (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - himawari ?さん» とっても嬉しいです、ありがとうございます^^*Evilとsleeplessnight聞いたことないので早速YouTube飛んでいきます♪作品読ませていただきました！コメントしたので見てみてください^^* (2017年9月16日 14時) (レス) id: 58070ba042 (このIDを非表示/違反報告)
himawari ?(プロフ) - 私は、EvilとEverybodyとviewとsleepless nightとLuciferとRing Ding Dongが特に好きでソロ曲も好きな曲沢山あります。ちなみに、私もお話書いていたりしますので良かったら読んで頂けたら…。次の作品も楽しみに待ってます。長文失礼しました。 (2017年9月16日 13時) (レス) id: ce40dbfcd1 (このIDを非表示/違反報告)
himawari ?(プロフ) - こんにちは。全て拝見させて頂きました。世界観全てが好みでまとめて読んでしまいました…完結おめでとうございます。ハッピーエンドで良かったです(*´艸`)コメント長くなってしまう…分けますね。 (2017年9月16日 13時) (レス) id: ce40dbfcd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいる | 作成日時：2017年8月30日 1時
