2話 ページ44
〜A side〜
私はそのまま焦るようにテミンの手を引いて、マンションを出た。
もちろん行く宛などないが、とりあえずと少し離れたビジネスホテルに滞在することにした。
『Aとならどこへでも。』
彼はそう言ったきりは何も言わず私の手に導かれるまま、ホテルの部屋に入ると辺りを見渡し、悪く無いねと軽く笑顔を作った。
特に理由も聞かず着いてきてくれた彼にホッとしつつも、私はホテルに備え付けの椅子に腰を下ろし焦る気持ちを落ち着かせた。
Taemin「疲れた？なんか飲み物買ってくる？」
そう言って彼は財布を手に取ったが、もし誰かに見られてSHINeeのテミンだとバレてしまったら…と嫌な考えが頭をよぎる。
「大丈夫！とりあえず2人でゆっくりしようよ！」
本心を彼に悟られないように、自分なりにぎこちなさを隠しながらホテルのTVを付けて、テミンの手を取り一緒にベットへ座った。
「あっホテルって映画も見れるんだね！何見る？」
そう言って焦りながらリモコン操作を行う私の様子を、伺っているような彼の眼差しが横目でわかった。
その視線にまた、隠し通さなきゃってプレッシャーがかかり、よく知りもしないホテルのリモコンのボタンをテキトーに押してしまう。
その瞬間だった。
変な所を押して、ニュースを付けてしまったのだ。
『ーーー熱愛報道があったSHINeeのテミンさんですが、新たに行方不明ではないかという情報が韓国で広まっているようです。ーーーー』
私はそのニュースを見て、思考回路が一時停止した後、すぐにTVの電源を切った。
沈黙が二人の間に漂う。
終わったと思った。
あれだけ秘密にしていた秘密を私が知ったと知れば彼は私の元からいなくなるのだろうか？
いや、いなくなる。
この関係ももう終わりだと思った。
だから私は苦し紛れでも、わからないフリをした。
知らないよ。
今私の隣にいるテミンはテミンで、アイドルのテミンなんて知らないよって訴えかけるように。
「今のテミンに似てたね？びっくりしてTV消しちゃった〜！テミンのはずないのにね！ハハッ…。」
私がそう笑いかけたのに、テミンは笑ってなくて私を見ることも無く下を向いていた。
Taemin「やっぱり知ってたんだね。」
そうボソッと呟いた彼は、座ったまま自分の手と手を握りしめ、その強く握りしめられた手は怒りなのか悔しさなのかそれとも悲しさなのか…
そう私の頭をぐちゃぐちゃにした。
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あいる(プロフ) - 流愛さん» わぁ〜めっちゃ嬉しいですヽ(；▽；)ノ励みになります、ありがとう♪ (2017年8月7日 20時) (
レス) id: 58070ba042 (このIDを非表示/違反報告)
流愛(プロフ) - いつも楽しみにしています！これからの展開が気になっていつもドキドキしながらみています！頑張って下さい(*´∇｀*) (2017年8月6日 19時) (レス) id: ff09b1e312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいる | 作成日時：2017年7月28日 21時
