3話 ページ38
〜A side〜
『テミン…何かあった…？』
その私の言葉に少し彼が止まった気がしたが、すぐにまた微笑んだ。
Taemin「何もないよ。」
笑っているように見せかけても目はとても悲しげだ。
…嘘つき。
その笑顔は作られたものなんでしょ？
なんで話してくれないの…？
私じゃ不満？
ファンにだけじゃなく私にまで作り笑いを見せて…。
本当は心の中で泣いてるんでしょ…？
話してよ…。
すべて受け止めるから。
私はテミンの手を取り、アザを見てまた彼の目を見て言った。
「じゃぁこれは何？誰にやられたの？」
すると彼は自分のアザを見てハッとすると、私から下へ視線を逸らし黙り込んだ。
Taemin「………。」
「お願い…話して…。」
俯いた彼の前髪が、顔を隠す。
私は彼の手を握ったままだ。
トクっトクっと波打つ彼の手の脈は、時計の針のように時を刻んでいるように思えた。
Taemin「ごめん…。」
そう言った彼は、自分の手を掴む私の手を引きはがす。
「え…？」
突き放されたように彼の温もりを失った手は行き場を失くした。
そして考える余裕もなく次に聞こえてきた言葉は私の心を打ち砕く。
Taemin「言えない。」
「………。」
彼はこちらを見ること無くそう言った。
二人の間に流れる沈黙が、とても長く感じる。
彼の言葉が頭の中に何度も再生され胸がだんだん締め付けられ苦しくなっていった。
彼の言葉を理解した私は聞いてしまったことを後悔すると共に、涙が出そうになる。
なんで悲しい思いをしてる彼に、私はまた悲しい思いをさせているのだろう。
「私こそ…聞いてごめん…。」
そう言うと、涙が溢れた。
見られたくなくて自分で自分の顔を両手で覆った。
私はただ彼を受け止めたいと思って言った言葉は、彼には望んでない事だった。
それがとても悔しくて苦しくて…申し訳なくて…涙が止まらなかった。
辛いのは彼のはずなのに、彼は私の手を顔から離すと、何も言わず自分の手で涙を拭ってくれた。
私は耐えきれず彼の胸に飛び込むと、腕を回しギュッと強く抱き締めた。
彼もそれに応えてくれるように、私の肩に片方の手を回すと、もう片方の手で髪を撫でてくれる。
優しい彼の手と体の温もりが伝わってきた。
私はそれを噛み締めるように暫くの間、その彼の優しさに甘えた。
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あいる(プロフ) - 流愛さん» わぁ〜めっちゃ嬉しいですヽ(；▽；)ノ励みになります、ありがとう♪ (2017年8月7日 20時) (
レス) id: 58070ba042 (このIDを非表示/違反報告)
流愛(プロフ) - いつも楽しみにしています！これからの展開が気になっていつもドキドキしながらみています！頑張って下さい(*´∇｀*) (2017年8月6日 19時) (レス) id: ff09b1e312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいる | 作成日時：2017年7月28日 21時
