1話 ページ36
〜A side〜
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その次の日、いつものように会社が終わり、更衣室で着替える私に同僚が話し掛けてくる。
「ねぇねぇ、ご飯食べてから帰らない？」
まだテミンの事で頭のいっぱいな私は気乗りがしない。
「ごめん…今日はちょっと…。」
「そっか〜…。じゃ、また今度ね♪」
「うん、本当ごめんね！じゃまた明日！」
無理に笑顔を作り、お疲れ様と言って会社を出る。
「うわっ雨か…。」
ザー…と鳴る雨の音は、今の私の心のようだ。
私はカバンから折りたたみ傘を広げ、薄暗い濡れた地面を早足で駆け抜ける。
夕飯どうしよう…
雨で買いに行くの面倒だし、家にあるカップラーメンでいいか…。
雨に当たらないよういつもより早めにマンションにたどり着いた私は、傘に付いた雨をバサバサ落とし畳んだ。
たたんでる最中、私はなにかに気が付いた。
誰かいる…？
目を凝らして見ると、マンションの脇の目立たない所に誰かがいる。
辺りはもう暗くて、雨が降っているのもあり視界が悪かった。
そこにいた人も私に気が付くと、私へ一歩一歩寄ってくる。
「だっだれ…？」
少し怖くなって傘を持つ手に力が入る。
ジリジリと歩み寄るその人の顔が、マンションの入口の光でボンヤリと照らされていく。
そこでやっとその人が誰なのかに気付いた。
その人はびしょ濡れで子犬のような目で私を見ている。
私はビックリしたように彼の名を呼んだ。
「テミン…？！」
Taemin「A…。」
そう言って彼は力無く笑った。
溢れそうになる涙を堪え、私はすぐに彼を抱きしめた。
その彼の体はとても冷たくて震えていた。
「テミン…どうして…。」
Taemin「ごめん…。」
ボソッと耳元で謝る彼は、今にも壊れてしまいそうだ。
もし次会ったならビンタくらいしてやろうと思ってた。
言いたい事だって沢山あった。
でもそんなのどこかに吹き飛んでいた。
ただ今は、私の腕の中にいる震えているテミンを抱き締めることで精一杯だった。
きっと何かがあったのだろう。
痩せて骨が浮き出た手。
ゲッソリとした頬。
その頬にある擦り傷。
そして赤くロープで縛られたような両手首のあざが、その何かを物語っていた。
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あいる(プロフ) - 流愛さん» わぁ〜めっちゃ嬉しいですヽ(；▽；)ノ励みになります、ありがとう♪ (2017年8月7日 20時) (
レス) id: 58070ba042 (このIDを非表示/違反報告)
流愛(プロフ) - いつも楽しみにしています！これからの展開が気になっていつもドキドキしながらみています！頑張って下さい(*´∇｀*) (2017年8月6日 19時) (レス) id: ff09b1e312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいる | 作成日時：2017年7月28日 21時
