6話 ページ24
〜Taemin side〜
「実は初めてあった時ーーー。」
そう苦しそうに話し出した彼女を俺は抱きしめた。
「テミン？話を聞いて。」
Taemin「いいよ、もう。」
「違うの！私テミンを騙そうとしてたんだよ？！財布取って良い人演じて、テミンに近づいてそれでーーー。」
俺は彼女が話す途中で、少し声を荒らげたように遮った。
Taemin「わかってるから！」
Aの涙が溜まった目がびっくりしたように見開き俺を見る。
俺はそんな彼女をなだめるようにまた、柔らかく話し始めた。
Taemin「話そうとしてくれてありがとう。俺が聞きたいのは、Aが今どう思ってるか…。それを教えて欲しい…。」
彼女が俺からお金を奪おうとしていた事は知っていた。
彼女に会いに行った2日目のクラブで、スキンヘッドのお兄ちゃんが電話でAと話してる所を聞いてしまったからだ。
『おい、昨日来た大物のカモがまた来たぞ！また1万払ってお釣りはいらないと来た。お前確実に落としたぞ。』
日本語がまだ完璧ではない俺にでもその言葉の意味は少し考えればわかった。
Aは詐欺師だったのか…。
そんな事も知らず騙されて少しの間でも彼女と一緒に遊んで楽しいと思った俺がアホらしく思えた。
このままクラブから出て帰ろうかとも思った。
でもこのまま帰った所で俺の最悪な人生には変わりはない。
だったら…
どちらにせよ最悪な人生なら騙されてみてもいいじゃないか。
だって彼女と一緒にいた時の楽しさは、確実に俺の人生に花を添えた事は紛れもない事実だ。
本能的にあの時の楽しさが忘れられなくてまた、彼女の元へ向かっていたんだ…。
そして今、彼女はそれを悔やんで居るのだろう。
とても嬉しかった。
Taemin「何をしてる時が楽しいか俺に前聞いたよね？俺見つかったんだよ。今までひとつも見付けられなかったのにAに出会って見付けられた。」
「え…？」
Taemin「俺はAといる時が一番楽しい。だからどこにも行かないで…。」
俺は今にも消えそうな声でそう言うと、また彼女を抱きしめ直した。
Taemin「A…好きだよ…。」
耳元でそう囁くと彼女は俺を抱き締め返してくれた。
「テミン…私も好き…！」
彼女の俺に向けられた好きと言う言葉に、余韻に浸るようにゆっくり目を閉じた。
幸せだ…。
俺はやっと今、幸せを手にしたのかもしれない…。
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あいる(プロフ) - 流愛さん» わぁ〜めっちゃ嬉しいですヽ(；▽；)ノ励みになります、ありがとう♪ (2017年8月7日 20時) (
レス) id: 58070ba042 (このIDを非表示/違反報告)
流愛(プロフ) - いつも楽しみにしています！これからの展開が気になっていつもドキドキしながらみています！頑張って下さい(*´∇｀*) (2017年8月6日 19時) (レス) id: ff09b1e312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいる | 作成日時：2017年7月28日 21時
