続 ページ20
「ﾀｯ、ﾀﾀﾞｲﾏ〜…」
ﾁﾗｯと周りを見ながら、小声で言い、玄関から入る。
エミちゃんについてきて欲しかったが、"自分で何とかしてください"とそのまま帰られた。
奢ってもらったんだから何も言えなかった。
忍び足で、自分の部屋へと向かう。自分の家なのに、何だか泥棒をしに来た感覚だ。
「おかえり、姉ちゃん。」
「ﾋｨｯ、ト、トントン…」
ﾆｯｺﾘと暗黒的な笑みを浮かべた、トントンとばったり会ってしまった。
なにこの弟怖すぎる。誰だよ大天使とか呼んでた奴。
私だよｯｯ!!!
「姉ちゃん?エミさんと飲みに行くときは必ず夕飯の材料用意して行けって言ったんやけど?」
「そ、それはﾃﾞｽﾈ…」
「まぁええわ。それよりや。」
ﾁﾗﾘと後ろを見るトントンに釣られ、私も見る。
そこにいたのは、小さく怯えるように、泣きそうな顔をした三人がいた。
やめて!!そんな泣きそうな顔しないで!!姉ちゃん別に怒ってない!!ごめんね!!ホントごめんね!!!!
なんて言いたかったが、ここはｸﾞｯと我慢する。エミちゃんに言うなって止められたし。
「あ、あんな…姉ちゃん…コレ…」
ﾌｰﾄﾞを深く被ったゾムが、ｽｯと何かを差し出す。
「…ﾏｸﾞｶｯﾌﾟ?」
「ね、姉ちゃんが行っとる間に買いに行ったんやけど、あ、あれと同じやつ無くて、」
しどろもどろと、目を泳がせながらも、精一杯伝えようとしてくる。
でもまだ。まだだ。エミちゃんからの助言では、まだ言っちゃいけない。
「姉ちゃん…その…ｶｯﾌﾟ割っちゃってごめんなさい…」
「ごめんなさい…」「ごめんなさいぃ…」
最初にゾムが。続いてコネシマ、シャオロンは泣きながら謝ってくれた。
それだけでもう、胸が一杯になった。
エミちゃんが何だって話だ。
「…うわぁぁぁぁごめんねえぇええ姉ちゃんそんなに怒ってないいいい」
「「!?」」
「シャオちゃん泣かないでぇぇぇ」
「えっえっ、姉ちゃんが泣いとるやん!?」
「何の騒ぎや!!」
たまらず涙が溢れ出る。私の喚き声に気付いたのか、グルッペンを先頭に他の弟達が入ってきた。
「何この地獄絵図。」
「トントン何したん?」
「いや俺じゃない俺じゃない!!」
「煩いめう〜」
「一旦落ち着け。」
「うｯ」
グルッペンに、ｽﾊﾟｧﾝと勢いよく頭を叩かれる。
割りと痛い。
「で?」
「叩いといてそれは無『で??』…謝ってくれるだけで良かったのにﾏｸﾞｶｯﾌﾟまでくれたのが嬉しくて感極まって泣きました。」
どうしてうちの弟はこんなに怖いんだろう。
この後、グルッペンにより無事仲直りでき、ﾏｸﾞｶｯﾌﾟは姉ちゃんのお気に入りになったそうな。
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ハムぷー(プロフ) - 続きはまだかァァァァァァァ！！！！！！！ (2019年3月5日 22時) (
レス) id: e1b13f536c (このIDを非表示/違反報告)
@Akane.Per_1945:小説執筆中 - ロボロとシャオちゃんちょっと持って帰りますね( (2018年5月27日 8時) (レス) id: 36a89c900f (このIDを非表示/違反報告)
おじゅん(プロフ) - いつも更新お疲れ様です！！すごく大好きです…！読んでる時も、読み終わった時も心が暖かくなって本当に素敵です！応援してます！ (2018年5月2日 23時) (レス) id: bb3fd5cea6 (このIDを非表示/違反報告)
ひだか(プロフ) - ひよのさん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます!!もっとﾆﾔﾆﾔしていただけるよう頑張ります!!() (2018年4月5日 1時) (レス) id: e13a110696 (このIDを非表示/違反報告)
ひだか(プロフ) - NORTHさん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます!!やっぱり振り回すだけじゃアレかなって思ったんで()そう言っていただけて嬉しいです!! (2018年4月5日 1時) (レス) id: e13a110696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひだか | 作成日時：2017年12月27日 19時
