大切な ページ18
zm視点
ﾊﾟﾘﾝ
一瞬だった。それが、壊れてしまったのは。
音が鳴った方を振り向くと、ｶﾞﾗｽの破片がﾊﾞﾗﾊﾞﾗに散っていた。最早原型を留めてないソレは。
姉ちゃんが大切に使っていたｶｯﾌﾟだった。
一緒に遊んでいたシッマとシャオロンも、顔を真っ青にして、その破片を見つめていた。
いつもこのｶｯﾌﾟを使っていた姉ちゃんは、これを見てどう思うだろうか。
俺達が、割ったと知って、どう思うだろうか。
これで4度目だというのに、姉ちゃんが気付いたら。
どう思うだろうか。
答えは簡単だった。その答えなんかに、気付きたくなかった。
顔を上げると、泣きそうなシャオロンと、不安気な顔をしたシッマと、目が合った。
「…どうしよ『たっだいま〜!!今日は早く終わった〜!!ロボロ〜!!』…ｯ」
最悪だ。
なんでこのタイミングで。
ﾊﾞﾀﾊﾞﾀと姉ちゃんが近寄ってくる足音が、扉越しに聞こえた。
俺達はどうする事も出来ないまま、ゆっくりと開かれる扉を見つめるしかなかった。
「あっ、ただいま〜、ロボロはどこ…何してんの?」
驚いた顔で近付いてくる。
来るなって言いたかったけど、声は出なかった。
「え、は?…割れてる。」
「あ…えと、ご、ごめんなさ…いｯ」
破片を見て呆然とする姉ちゃんに、謝ろうとしたシャオロンが、突然足を押さえてうずくまった。
「うわわ、シャオちゃん切れた?大丈夫?ゾムとコネシマ、ちょっと動かないでね。」
シャオロンを椅子に座らせ、絆創膏を持って帰ってくる。姉ちゃんは、"うわ痛そー"なんて言いながら、丁寧に貼った。
俺は、ずっとその光景を見ておくことしかできなかった。
謝る言葉が出てこなかった。
「よし、オッケ。片付けるからまだ動かないでね〜。」
箒と塵取りを持った姉ちゃんが、破片を一つ残らず回収していく。
ずっと、悲しそうな顔をしながら。
「姉ちゃ『よし、全部取れた。まだあるかもしれないから気を付けてね。』…」
…遮られた?わざと?
…違うよな??
もう一度、言ってみようか。
「あのさ『あ、そうだ。姉ちゃん今日、エミちゃんと飲みに行くから、トントンに行っといてくれる?』…ｯ、うん。」
やっぱり。ダメだ、これ、
姉ちゃん、怒ってる。
考えてみれば、当たり前なのに。普通なのに。
姉ちゃんは破片を片付け終え、もう家から出ようとしていた。
待って、お願いやから、謝らせて。
その思いも虚しく、姉ちゃんは振り返らず、"行ってくるね〜"と、扉を閉めた。
それと同時に、シャオロンが泣き出した。
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ハムぷー(プロフ) - 続きはまだかァァァァァァァ！！！！！！！ (2019年3月5日 22時) (
レス) id: e1b13f536c (このIDを非表示/違反報告)
@Akane.Per_1945:小説執筆中 - ロボロとシャオちゃんちょっと持って帰りますね( (2018年5月27日 8時) (レス) id: 36a89c900f (このIDを非表示/違反報告)
おじゅん(プロフ) - いつも更新お疲れ様です！！すごく大好きです…！読んでる時も、読み終わった時も心が暖かくなって本当に素敵です！応援してます！ (2018年5月2日 23時) (レス) id: bb3fd5cea6 (このIDを非表示/違反報告)
ひだか(プロフ) - ひよのさん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます!!もっとﾆﾔﾆﾔしていただけるよう頑張ります!!() (2018年4月5日 1時) (レス) id: e13a110696 (このIDを非表示/違反報告)
ひだか(プロフ) - NORTHさん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます!!やっぱり振り回すだけじゃアレかなって思ったんで()そう言っていただけて嬉しいです!! (2018年4月5日 1時) (レス) id: e13a110696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひだか | 作成日時：2017年12月27日 19時
