真夜中 ページ12
「あれ、トンちゃん?」
深夜1時。
お腹が空いたから夜食でも取ろうと、ﾘﾋﾞﾝｸﾞへ入ると、机にうつ伏せになっていたトンちゃんがいた。
声をかけると、もっそりと起き上がり、"姉ちゃん…"と、呟き、またうつ伏せになった。
「どしたの、また眠れないの?」
「おん…眠いんやけど…寝れない…」
度々あるトンちゃんの"眠れない"。この間はコタツに入ったまま寝てたから風邪を引きかけたと言うのに。
とりあえず、と暖かいココアを淹れ、トンちゃんに渡す。
「それ飲んで落ち着いたら布団に入りなよ。目ｪ閉じてるだけでも少しは疲れ取れるから。」
「……。」
どこか虚ろな目でココアを飲むトンちゃん。明日は学校だが大丈夫なのだろうか。
「なぁ、姉ちゃん…」
「何よ、ココア不味かった?」
「ううん、あのさ。一緒に寝てくれへん?一人やと寝れんし…」
「え、普通に嫌。アンタ一緒に寝ると私抱き枕代わりにするじゃん。苦しいのよ。」
「お願いやから…抱き枕せぇへんから…」
「嫌。あ、ココア飲んだね。ｺｯﾌﾟ片付けるよ。ほら、もう寝てな。」
中身が空になった豚の絵が描かれたｺｯﾌﾟを取り、流しへと持って行く。ｺｯﾌﾟを洗い、よく拭く。
戸棚へと終い、ﾘﾋﾞﾝｸﾞへと戻る。
「寝ろって言ったでしょ。」
「おん。今から寝る…」
「何故私の腕を掴む。おい待て、連れて行こうとするな離せ。」
ﾘﾋﾞﾝｸﾞに戻ったのが間違いだった。いやでも…これどうすれば良かったの。
そう考えているうちに、ぐいぐいと引っ張られ、無事にトンちゃんの部屋へと着いてしまった。
アカン。
「ねぇ、トントン離して。」
「嫌や。一緒に寝るんや。」
「アンタ今眠いからﾃﾝｼｮﾝおかしいよね。明日思い出した時が楽しみだわ。」
トントンに引っ張られるのに、必死に抵抗する。服が伸びる。いい加減離して欲しい。
「はぁ…もう良いよ。分かった。寝るから。おやすみ。」
「最初からそうすれば良かったんやで。」
「調子に乗るな。寝ろ。」
諦めて了承し、布団へと入る。続いてトンちゃんがもそもそと入ってきた。
「おいコラ何さりげなく抱き枕にしてんのおい豚。」
「おやすみ姉ちゃん。」
「ねぇ待って抱き枕にしないって言ったじゃんおい聞けよ。」
抗議をするも、全部ｽﾙｰされる。お腹辺りに手を回され、逃げようにも逃げれない。
この豚…!!
しばらくすると、ｽｰｽｰと寝息が聞こえてきた。
…とりあえず良かった。トンちゃん寝れたみたいだ。
次は無いことを祈る。
……明日ｸﾞﾙｯﾍﾟﾝに見つかったらどうしよう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 925人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハムぷー(プロフ) - 続きはまだかァァァァァァァ！！！！！！！ (2019年3月5日 22時) (
レス) id: e1b13f536c (このIDを非表示/違反報告)
@Akane.Per_1945:小説執筆中 - ロボロとシャオちゃんちょっと持って帰りますね( (2018年5月27日 8時) (レス) id: 36a89c900f (このIDを非表示/違反報告)
おじゅん(プロフ) - いつも更新お疲れ様です！！すごく大好きです…！読んでる時も、読み終わった時も心が暖かくなって本当に素敵です！応援してます！ (2018年5月2日 23時) (レス) id: bb3fd5cea6 (このIDを非表示/違反報告)
ひだか(プロフ) - ひよのさん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます!!もっとﾆﾔﾆﾔしていただけるよう頑張ります!!() (2018年4月5日 1時) (レス) id: e13a110696 (このIDを非表示/違反報告)
ひだか(プロフ) - NORTHさん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます!!やっぱり振り回すだけじゃアレかなって思ったんで()そう言っていただけて嬉しいです!! (2018年4月5日 1時) (レス) id: e13a110696 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひだか | 作成日時：2017年12月27日 19時
