知略 ページ7
JIOの登場により希望を抱いたAだったが、ある事に気付く。
(あ…、このまま外に居たらそろそろ夜が明けるよな…？日光浴びたら俺もうヤバイ事なるんだけど。え、本当にやばいな。もう力は使えないから…)
(JIOさん任せになる…？！)
カラ「チョロ松、Aを捕まえていろ。あいつは俺が殺ろう」
チョロ「二度と見たくないからそこんとこ頼むよ？カラ松兄さん」
カラ「ああ。任せておけ」
(ええー？！なんかすっごい物騒なこと言ってるんだけど？！JIOさん逃げて！超逃げて！あっ、JIOさん逃げたら俺バッドエンドだ！やっぱ逃げないで！)
一人心の中で慌てふためいていたAだった。
JIO「ふーん。お前が相手するの？言っとくけど手加減なんてしないから」
カラ「それはこっちの台詞だな。せいぜい楽しませてくれよ？」
チョロ松がそういうカラ松からAを受け取ると少し離れたビル屋上へ移動した。
チョロ「A。よくみときなよ？カラ松兄さん怒らせたらどうなるかを…ね？」
『え。なんだそれ…』
とりあえず身体に力が入らないAは大人しくチョロ松の腕の中にいた。
しかし
『JIOさんー！』
チョロ「？！」
カラ「？！」
JIO「！なにー？！」
『俺のことは気にしなくていいから！そいつ…カラ松とか言うヤツ！ボコボコにしちゃって！！』
カラ「！今俺の事をカラ松と…！うぅ。Aがやっと名を呼んでくれた…！！」
チョロ「いやいや！今のは違うだろ！喜んじゃだめだろ！？」
JIO「おっけー！任せてAちん！」
なんとJIOにエールを送ったのだ。どう考えても二人の怒りを買うのは確かなのに。
『でもやっぱすっげー強かったから！だから油断はしないで！』
カラ「A…！Aが強いと…俺の事を強いと…！くうぅぅ」
チョロ「あ！ズル…じゃなかった！違うだろ？！そこ！喜んでんじゃねー！！」
(よし…。やっぱ何かと俺に対しては甘いとこがあるな…。なんとかしてJIOさんの邪魔になんないようにこいつから逃げねーと)
チョロ「A！なんであんなヤツ応援するんだよ！」
『だって応援しちゃ駄目なんて誰も言わなかったし』
チョロ「ぐっ」
心なしかチョロ松が泣いているように見えた。
(なんとかしてこっちのペースに巻き込まないと…。俺が出来るのはこのくらいだしな…)
静かに知略を練っていたAだった。
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作者名：神凪 | 作成日時：2018年11月6日 11時
