Pink ▼ 1から始めませんか ページ10
※トド松と5人の悪魔の話。
・
「...また振り出しかあ」
大きくため息をつく。
せっかく少しは近づけたと思ったのに。
スタバァのバイトを辞めて、数日が経った。
今でもちょっと期待するんだ、君から連絡はこないかって。
...確かに、女の子と知り合いたいっていうのもバイトを始めた理由にあったけど。
だけど、一番の理由は。
...と、手の中のスマホが震える。
びくりと肩が跳ねたのが自分でも分かった。
恐る恐る画面を見れば、そこに映るのは彼女の名前。
心音が急に大きくなった気がした。
「...ちょっと出てくるね、すぐ帰るから」
「えっ、トド松?!」
メッセージを開いてその内容に目を通し、すぐに玄関へ。
戸惑ったような兄さんの声を無視して、近所の公園に急いだ。
「...っAちゃん!」
「あ、トドくん。早かったね」
「そりゃ...急ぐよ。Aちゃんだもん」
「へへ、ありがとう」
照れたように微笑む彼女、そう、彼女こそが僕がバイトを始めた理由だ。
いわゆる一目惚れとやらをしてしまったらしい僕は、どうしても彼女に近づきたかった。
そこで彼女のバイト先であるスタバァでバイトの面接を受けて、どうにか合格したわけなんだけど...
「あの、昨日店長からトドくんがバイトやめたって聞いて...何かあったのかなって」
「...ううん、なんにもないよ!ただ僕には合ってなかったかなあって」
数日前、あの悪魔たちが降臨した、というわけだ。
もっと知りたいのに。もっと知ってほしいのに。
君のことを、僕のことを。
「そっか...それなら、いいんだけど。あ、ねえトドくん」
「ん?」
「私とはもう関係なくなっちゃったけど...また、会ってくれる?」
顔を真っ赤に染めてうつむく彼女に、思わず目を見開く。
そんなの、言いたいのはこっちで、
「...いいの?」
「うん、ぜひ」
...少しくらい、期待してもいいのかな。
「...もちろんっ!」
さあ、今やっとスタート地点に立ったところ。
ゴールはまだまだ遠いけど、どんな障害も乗り越えて、君を手に入れてみせようじゃないか。
・
Yellow ▽ 汚れた恋はただのゴミ→←Blue ▽ 確信犯
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のんのーー(プロフ) - この作品……すごく好きです!あの、「可笑しいくらい君が好き」って嵐さんのキャラメル・ソングですか? (2017年12月19日 20時) (レス) id: c41abcf11d (このIDを非表示/違反報告)
凜松 - こんにちは〜♪凜松です このお話し大好き (2017年2月15日 11時) (レス) id: 2a608cd23b (このIDを非表示/違反報告)
聖奈 - 文才分けて欲しいです‥‥すごすぎます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2017年1月9日 23時) (レス) id: 6118d92b47 (このIDを非表示/違反報告)
シヴァ - どの作品もすごくよかったです! 精神回復しましたww (2016年10月19日 23時) (レス) id: fd37f4a3ac (このIDを非表示/違反報告)
オムちゃん(プロフ) - 夜月さん» やいやもうすごく良かったです!! 許すも何も最高でしたよ(*Ü*) ありがとうございました!! (2016年10月10日 5時) (レス) id: 87fbbdacd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜月 | 作者ホームページ:http://plas-yuno08.jimdo.com
作成日時:2015年11月8日 3時