【おそ松さん】松野さんと、恋模様。【短編集】

Yellow ▽ 汚れた恋はただのゴミ ページ11

※恋する十四松の話。



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ずっと好きだった。
ずっとずっと前から、君が好きだった。
...言葉にしなきゃ意味ない？そんなの分かってるけど、でも。
怖かったんだ、君と話せなくなるのは。



・



「十四松に好きな子、かあ...」



もう何度目だろう、そんな言葉がこぼれるのは。
もっと早く伝えていれば違ってた？
そんなの今更後悔したって遅いよ。
だってあんなに楽しそうに笑う十四松を見たの、本当に久しぶりで。
...笑顔にしたのがあの子だと思うと、醜い嫉妬心が胸の中で渦巻いて。

嫌だなあ、こんな自分。



「...好き、」



気持ちを声に出してみれば少しは楽になるかなあと思ったら、全然。
むしろもっと好きが積もっていく感じ。



「......好き、だよ、だいすきなの、じゅうしまつ...っ！」



ポロポロと涙が頬を滑り落ちていく。
胸が痛い。こんな気持ちいらないと心が泣き喚いてるみたいだ。



「だれかじゃ、だめ、なの、じゅうしまつがいいの、じゅうしまつがすきなの...！」



だけど、どうしても駄目だ。
どんなに苦しくても、辛くても、この気持ちだけは捨てられない。
捨ててしまえたら楽になれるのに。



「いや、やだ、...いっしょにいたいっ！」



...私こんなに十四松のこと、好きだったんだなあ。

思ったよりも深く根づいていたこの想いは、もう報われることはない。
そう考えたら、また新たにしずくがこぼれ出る。

...振られてしまえばいいのに、なんて。
こんな汚い気持ちなら、いっそ殺してしまえればいいのに。



「......私だって、好き、なんだよ...」



止まらない涙をこぼして、そう呟いた。
もう二度と伝えられない、伝えない想いを、ただ一人の部屋で。



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