貴方の傍で。２【手下】 (ページ16)

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５７話ページ16

エ「うるっせぇチビだなぁ、朝飯できてっからさっさと行くぞ」

腕を引っ張られ、ずるずる運ばれる。

A「いだだだ、千切れる！！腕が！！
レディには優しくしろってアースラ様に教わらなかったのか！！」

エ「別に教わってねぇし、お前レディなのかよ、危ういだろ」

A「失礼すぎる！！何だその言い草！！」

幼稚なことを言い争っていると、足がふわりと浮いた。

それがマルフィにお姫様だっこされていると気が付くのが、２秒後だった。

A「ま、マルフィ！？何を…」

顔を真っ赤にして聞くと、マルフィはニコニコしながら

マ「お姫様だっこ。

前もしたんだから、今しても良いだろう？」

一体何を言い出すんだこやつは。

A「いや、良くない…下ろして…」

マルフィが良くても、僕の心臓が良くない。

エ「…よっと…ふん、軽すぎんだろ」

A「！？…え、エイトフット…！？」

エイトフットが、マルフィから僕を奪うようにお姫様だっこした。

この２人は、本当に何を考えているのか分からない。

マ「エイトフット、Aは私が…っておい！？話を…」

まで聞くと、エイトフットは急に走り出した。

そのまま階段を降りようとするエイトフット。

A「あ、無理、落ちる！！嫌だぁぁあ！！降ろせ！！！」

エ「るせ、黙っとけ」

気を利かせてくれているのか、階段を降りる時はゆっくり歩いてくれた。

ブアイソーなのに優しい時は優しいんだよな…

そのまま無表情で蛸足を出し、リビングのドアを開けるエイトフット。
いや、怖い怖い。

せめて、少しだけでいいから笑ってくれ。

ジャ「あっれー！何々エイトフット、お姫様だっこなんてしちゃって！

お・う・じ・サ・マ♡
って感じ〜」

ゲラゲラ笑いながらそう言うジャック。
笑い事じゃない。

マ「エイトフット…許さないぞ…」

いつの間にか、エイトフットの背後にマルフィが張り付いていた。

こっちも怖い。

ファ「修羅場の予感やな…」

ヴ「そうですわね…」

声をかけたマルフィを睨みつけるエイトフット。

A「あ、あの、エイトフットさん…降ろしてくれると嬉しいなーなんて…」

小さく呟いてみると、優雅に紅茶を飲んでいたアップルの方に投げられる。

A「うわ…っ、ありがとうアップル」

アップルが見事にキャッチしてくれた。