君の隣にいたいです【センラ】

60 うらたside ページ15

Aの家に着いてチャイムを鳴らす




すると出てきたのはAで
彼女は俺を見てというよりは
センラを見て驚きでも目の奥には
嬉しそうな感情が見えた




だから、俺は鞄を即座に渡して
電車が間に合わないなんて嘘をついて
Aの家を後にした






ホントは電車なんかじゃないし
ここから歩きで10分も経たずに帰れる






でも
俺はいてはいけないんだ
そう感じさせられるような雰囲気で
逃げたかった



今はAの彼氏
でも、Aの目は、心はいつでも
アイツに向いている




それだけで苦しくて
でも言い聞かせたくて




本当はあの女には感謝してもおかしくない
だって大好きな彼女が自分を頼ってくれるんだから





でもそんなことは出来ない
だってやっぱり好きな人の苦しい顔なんて見たくないし
どうせなら俺じゃない誰かのためにでもいいから
本当の笑顔が見たい









「俺じゃAを笑顔に出来ないのかなぁ…」






そんな独り言は
少し冷たい風の吹く空へ
消えていく









ふと空を見れば
世界が違うんじゃないか
そう思ってしまうほどの
星の数と星の明かりに
胸が苦しくなる









「でもやっぱAはセンラに渡したくない」









ツーっと
頬を静かに涙が一つ伝う









「…ｯ…今日、くらい、、泣いても…いいだろ……。」









志「ええんとちゃう…？」









見計らったように出てくる志麻くん







志麻くんはそっと俺の横に来て
俺の背中を摩ってくれる









「…ｳｸﾞっ…ｳｩッ………ｯ」









ただ俺はその志麻くんの優しさに浸り
涙を流すことしか出来ず









そんな俺に志麻くんは









志「今日は、ごめんな。迷惑かけた。
うらたさんが何で困っとるのかも分かっとる。
やから、今は泣いてええよ。


落ち着くまで隣おるから」









そんな優しい事を言うから
涙は止まることを知らずに
溢れるばかり









ありがとう。志麻くん。








ごめんな。センラ…A…。









でもこの言葉はちゃんと本人へ
俺の口から言わなきゃ









それを言ったあとで
正々堂々とAを奪いに行くんだ









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何故か前作ともに今日作品順位がついてあって
「( 'ω')ふぁっ！？」と叫んでしまいましたw

これからもどうぞよろしくお願いします！！









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