37 センラside ページ38
あいつが帰ってから
すぐにうらたんにLINEをする
そしたら
『病院、手術室の前』
と帰ってきた
Aに何かがあったんやと察した
勢いでうらたんに電話をかける
2コール目で出てくれたうらたん
でもその声は
いつものうらたんの物ではなかった
「なに。」
セ「どういうことなん！？
病院って手術室って…！！」
つい焦ってしまう
Aにもしもの事があったらと思って
でも返事は予想を遥かに超えたものやった
「なんで追いかけなかったんだよ」
セ「…え？」
ついうらたんの低い声に
びっくりしてしもうた
「なんで！！なんで！！
あん時Aの事追いかけなかったんだ！！
Aが好きだったんじゃないのか！？
なのに簡単に忘れちゃうだな
なんでお前はいっつも、いっつも、」
何故か急に怒り出すうらたんに
声をかけようとするも
その言葉さえ遮られ話を続け出すうらたん
「Aがどんだけ辛かったか分かるか！？
お前に他人行儀な接し方されて
名前すらも忘れられてさ！！
なのに今さら『どういうことなん！？』って
こっちがどういうことなんだよ！！
なんでお前に振り回されなきゃないんだよ！
人の気も知らないで
自分の好き勝手しやがって…！！
俺センラのそういう所が一番嫌いだよ
俺の欲しい物全てお前は取っていく
Aを傷つけても何もない顔で
あいつの笑顔を…！！
もうこれ以上何もすんな。
Aを傷つけるな、Aに関わんな」
それだけを伝え電話を切られた
俺はうらたんを傷つけていたんやと
苦しめていたのだとそう感じた
うらたんにこんだけ言われたん初めてやな
うらたんに言われた事を精密に思い出し
一つ思うことがあった
「センラ、うらたんがAの事好きなん
知らんかった。センラは何も知らなかった。
Aの事も…」
絶望に浸る
でもこのままじゃダメやと思った
2人に謝らなきゃと思った
だからこの病室から出ようとした
でもできひんかった
怖くなって足がすくんだ
何を言っても変わらない
何をしてもまた傷つける
そんな考えが頭を過ぎる
ダメやね、センラ
メンバーのうらたんの事も
幼馴染みで大好きなAの事も
何も何も何も…
知らへんかった
途端に涙で視界が歪む
病室でセンラの泣き声が響いた
*
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作者名：はるや x他1人 | 作成日時：2017年7月31日 19時
