10回、目が合ったら告白します。【kne】② (ページ12)

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ドキドキしながら図書室まできて、ゆっくり引き戸を開ける。

隙間から中を配き込むと叶先輩の姿は見当たらなくて、まだ来てないのかなと少し胸をなでおろした。

だって心の準備が必要だから。

「...わ！！」

「わ！！？」

それなのに。

後ろから聞こえた大きな声に驚きすぎて同じように大きな声を出してしまった。

勢い余ってその場に崩れ落ちると、どくどくと心臓の音が速くなる。

「え、ごめん、そんなに驚くとは思わなくて」

崩れ落ちたまま後ろを振り向くと、眉毛を下げて少し笑ってる叶先輩がいた。

私に合わせて身を屈めて手を差し出してくれたから躊躇しながらもその手の上に自分のを乗せた。

先輩の手のひらはすごくあったかくて、想像してたより大きくてまたドキドキが速くなる。

初めて先輩の手に触れるのがこんな形だなんてあんまりだけど...ていうか先輩って意外と子供っぽいことするんだな、ってちょっと驚いた。

「脅かさないでくださいよ、」

「だってなかなか中に入ろうとしないから笑」

「普通に話しかけてください！」

「はは、ごめんね」

口元に手を当てて楽しそうに笑ってくるから結局私もつられて頬が緩む。

だって叶先輩の笑った顔可愛くて好きなんだもん…癒される。

そんな先輩の後を追って図書室の中に入った。