弐 ページ2
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夕刻
わたしは、風柱様の屋敷へ向かった.
風柱様には、お館様から伝えてくださると仰っていたけれど……
『 ごめんくださいませー 』
門の前で声をかけるがなんの返答もない.
任務に行っているのだろうか、
あ、いや、今日は非番だと聞いた.
もう一度、声をかけるが無反応だったため中に入ることにした.
『 ………入りますよぉ 』
恐る恐る門を開ける.
庭の中をゆっくりと歩く.
『 ……! いた…… 』
風柱様は、縁側で横になりお休みになられていた.
風柱様にしては、かなり無防備だと思った.
普段は警戒心がとても強い方だから.
よほど疲れているのだろうか……
………実弥くん、やっぱり無茶してるんだろうな.
『 ……猫… 』
近づいて気がついたけれど、片腕に白い子猫を収めながら横になっていたのだ.
不覚にも、可愛いと思ってしまった.
そういえば、実弥くんって子供の頃も野良猫にご飯あげてたりしてたなぁ…
ちゃっかり名前もつけてたし.
そんな昔のことを、のほほんと思い出していた.
その子猫はわたしの気配に気がついたのか、モゾりと動き こちらを見てはニャーと鳴いた.
「 ……ッん、どうしたァ 」
子猫が動いたからなのか、風柱様が起きた.
子猫の頭を優しく撫でながら、からだをおこす風柱様.
そして、
目が合った.
すぐ様、彼の形相が険しくなった.
「 何勝手に人の屋敷に入ってんだァ!! 」
荒々しい口調で言う風柱様.
『 ヒッ………!
お、おお、お館様からの御命令です……!!! 』
「 お館様の御命令だァ? 」
直後、
ハッと何かを思い出したかのような顔をする風柱様.
「 お館様が言ってたのはお前のことだったのかァ…… 」
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るる - 勉強やりながら占ツク更新だと、、、、、、、、大変すぎませんか?!!!!凄いですね!!! (7月25日 23時) (レス) @page46 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
魚城 - 続編!?やったぁ〜! 続編も頑張ってください!*^^* (2020年4月8日 18時) (レス) id: b29402340d (このIDを非表示/違反報告)
うぐいすのしっぽ - きな粉のところで盛大に吹きましたw続編も頑張ってください! (2020年4月7日 9時) (レス) id: 868a001250 (このIDを非表示/違反報告)
うりょ - ムフフ (2020年3月5日 9時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 初めまして!すごく面白かったです! (2020年2月26日 19時) (レス) id: fc640f7e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2019年11月20日 8時