幼馴染と住宅街 (ページ28)

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噂の双子妖怪★ ページ28

あたしと連動するように同じ方向を見た瞬間に、ナナは顔をこわばらせた。

…本当にどうしたんだろう？

赤髪の子はラーメンを、向かい合わせに座っている黒髪の子は、エビチリを食べていたみたいだった。

赤髪の子は、あたしと目があった瞬間、ふいっと顔を背けてしまった。

黒髪の子は、あたしとナナのことを、しばらくじーーーっと睨みつけていたけど、そのうち、エビチリの方に視線を戻した。

姿はなんとなく似ている2人だけど、髪の毛の色はまるで真逆だし、食べ方も違うみたい。

赤髪の子は、ばくばくとラーメンを頬張っていたけど、黒髪の子は、もぐもぐと、小さな口でエビを噛んでいた。

ナナはやっぱり絶句したままだったけど、あたしは特に気にせず、麻婆豆腐と餃子を、2皿注文した。

注文が済んだ瞬間、ナナは、金縛りが解けたように突然叫んだ。

「…なんで注文しちゃうの！？」

え、なんでっ、て……

「え？だって、ナナお腹ぺこぺこでしょ？…あ、もしかして、違うのがよかった？ごめん、今ならまだ注文取り消せるかもしれないから……」

「そうじゃなくて！！！」

ナナに、せっかくの提案を一蹴され、あたしは頰を膨らませた。

「…なに、あたしがせっかく気にかけたのに、嫌なの？ナナ、さっきからおかしいよ、もー」

「だからそうじゃなくて…！！！！！！」

ナナは、半ば呆れたようにあたしの服の袖を引き、耳打ちしてきた。

ナナが本当に小さく囁いたその言葉は、なんとー

「ええっ！！？？！？そこの2人が、さっきのお偉いさん妖怪たちが探してた悪の双子妖怪ぃ！！！！？！？？」

あたしが叫んだ瞬間、場の空気がパキンと凍りついた。

誰も彼も動きをぴたりと止め、あたしたちを呆気に取られた顔で見ている。

1番は、ナナだった。

顔を真っ青にし、頰をピクピクと引きつらせながら、顔を小刻みに横に振っている。

……え、なんか変なこと言ったかなぁ？？

と、隣の席で、激しく咳き込む音が聞こえた。

見ると、ナナの言う、悪の双子？君たちが、料理を喉に引っかけたらしく、げほげほとむせていた。

「……サナ姉、逃げよう」

突然、ナナが勢いよく立ち上がった。

あたしもつられて立ち上がり、そのまま2人でお店を出た。

「……できるだけ、遠くに逃げよう」

ナナが、真剣な眼差しを向けてきた。