屋上 【 十四松 】 ページ6
十四松side
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「 おっくじょー! おっくじょー! 」
『 し、静かにっ
バレちゃったらどうするのっ… 』
ついでっかい声で喋ってしまった僕の口を慌てて抑えながら、小声で話すAちゃん
『 うわ、ほんとに開く… 』
「 でしょ!? 」
最近、学校の立ち入り禁止の屋上へのドアが少し不自然に歪んでいたことに気づき
そのドアが、どうにかすれば開きそうだと思った僕は試行錯誤をした
その結果、ちょっとのコツを掴んじゃえば簡単に開くことが判明して
「 ね、僕すごくない!? 」
『 すごいけど…
バレて怒られたらどうするの 』
「 バレないバレなーい!! 」
そう言いながら、開いたドアから普段足を踏み入れることの出来ない屋上に出れば
「 おー、すっげー!! 高いね!! 」
『 初めて来た…
なんか新鮮 』
屋上から見るその景色に、2人ともしばらく感動して
それから、屋上の中央に仰向けで寝っ転がった
『 そういえば、
前開くって気づいた時は入らなかったの? 』
Aちゃんからのその質問に、元気よく
うん!! と答えれば、なんで? とまた質問が返ってくる
「 えー?
だって、1人で屋上行ってもつまんないじゃん!! 」
『 そうかなー?
秘密みたいで楽しい気がするけど 』
「 んー、僕ね
この景色は、Aちゃんと一緒に見たかったの!! 」
『 わ、私と? 』
「 そう! だから2人で来るまでとっとこーと思って 」
2人だけの、秘密にしたかったんだ
そう言えば、何それ、なんて呆れたように言うけど
顔はすごく嬉しそうで
まるで2人だけしかいないみたいだなって
ふわふわ考えていれば、突然授業開始のチャイムの音
「 あ、授業始まっちゃった 」
『 やば、行かないと 』
「 ま、待って!! 」
そんなチャイムの音も無視したくて
まだ、2人だけでいたい僕
「 もう少し、一緒にいよーよ 」
『 っ… 』
授業出なきゃダメだって分かってるのに
お互い、その場から動かない
僕のその言葉に、半ば諦めたように
立ち上がりかけたAちゃんは再び、仰向けに寝転がる
『 十四松のせいだからね 』
「 あはは!
僕ら悪い子だね!! 」
2人で立ち入り禁止の場所でサボって。
でも、Aちゃんとだからなんでも楽しくて
青空の下で、微睡む2人
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しゃび(プロフ) - ごはん(50)さん» コメントありがとうございます。そこまで褒めて頂いてとても嬉しい限りです…!沢山あるおそ松さん作品の中から私の作品を読んで頂いてありがとうございます!更新はまちまちになってしまって申し訳ないですが、これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年8月23日 18時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
ごはん(50)(プロフ) - こんにちは!!しゃび様の作品全部見させて頂きました!!どれも最高です。この様な短編集やおそ松さん作品の中でもしゃび様の書くお話が一番好きです。お気に入り作者登録も失礼ながらさせて頂きました!! (2019年8月20日 17時) (レス) id: 535205595b (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 苺夢さん» 時間はかかってしまいますが、それまでお待ちいただければ幸いですし、なるべく詰まらないようにこちらも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年12月29日 9時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 苺夢さん» こちらまで読んで下さりありがとうございます!とても嬉しいです。辞める、と言うよりは一旦おやすみということなので、勿論チョロ松のオンリー短編集も書かせていただきますし、全員書き終わったらまたこういった短編集を再開しようと思っております。 (2018年12月29日 9時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
苺夢(プロフ) - やめちゃうんですね、。でも!推しがチョロ松なので気長に待ってます!あ、えと、焦らないでくださいね!しゃびさんの作品読み返して気長に待ってます!これからも頑張ってください!! (2018年12月28日 22時) (レス) id: 4fd2aa824a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2018年9月1日 0時