【 おそ松さん 】学生むつごと恋する短編集 3

上書き 【 カラ松 】 ページ35

※付き合っていません
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「 な、なぁ、A 」




お昼休み中、幼馴染のカラ松と一緒にお弁当を食べていれば

なにか改まった様子で、名前を呼ばれる







『 ん、なに 』


「 いや、あの…
A、彼氏出来たか? 」







何を聞かれるのかと思えば。



予想もしてなかったその質問に、思わず口に含んでいたものを盛大に吹き出すところだった








『 え、な、なんでよ 』


「 いや、その…
この間、見てしまったんだ
A、3年の先輩とキス、してただろ 」


『 …えっ 』








彼氏なんて、生まれてこの方、出来たことなんてない
今もいるわけないし、キスをするような相手なんていないけど





ひとつだけ、心当たりがあった








前に、3年の先輩に告白されたことがあって
その時、断ったら無理やりキスをされた


そんなことがあって。








『 あ、あれ、あれは… 』


「 や、やっぱり付き合ってるのか!? 」


『 ち、違うよっ!
彼氏なんていないよ 』


「 え、じゃ、じゃあこの前のあれは…? 」







見られていたのなら、言い訳のしようがない



そう思った私は、あの時のことを渋々カラ松に話した








『 それで無理やり… 』


「 そんなことがあったのか 」


『 だから彼氏とかじゃないし!
そもそも私、カラ松のこと好きだから他の人となんて… 』






そこまで言って、ハッとする

待って、そこまで言う必要は無いんじゃない






要らん事言った…!








「 え… 」


『 ま、い、今のなし!! 』





慌てて立ち上がり、その場から逃げようとする








「 待て待て!
俺、しっかり聞いたぞ 」


『 わ、忘れてください… 』


「 無理だ、忘れない
だって、俺もAの事が好きだからな 」






そう言われ、逃げようとした私の体はピタリと止まる








『 え、う、嘘 』


「 本当だ
だから、彼氏なんじゃないかって焦ったんだ 」






だから聞いたんだって

そう言われて







『 りょ、両想いだったの 』


「 そうみたいだな 」






ずっと片思いだと思っていた私は
未だに信じられず、唖然とする







「 でも、ひとつ、嫌なことがある 」


『 え、どういう 』


「 その先輩に、Aがキスされたって事実。」







上書きしていいか?
なんて、優しく聞かれ








『 い、いきなりすぎない? 』


「 そんなことない 」







ぐいっと引き寄せられて、
そっとキスをされる

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