【 おそ松さん 】学生むつごと恋する短編集 3

体育祭 【 チョロ松 】 ページ11

今日は体育祭。

私の出る個人種目は、借り物競争ってやつで




まさに今、その競技中なのだ






スタートの合図が鳴り、みんな一斉に走り出して
借り物のランダムくじがある場所まで行けば






生徒 「 お題を1枚引いてください! 」


『 うわー… 変なの来ませんように!! 』





結構変わったのもあるって聞いたから

無難なやつでありますようにと願いながら、少し時間をかけて引く






『 よし、これっ!! 』





お題の書かれている紙を1枚バッと引っ張り出し
中身を確認すれば




" 【松野】が苗字の人 "







『 はぁ!? 』





なんだこのお題は!!
苗字は苗字でも、なんで松野をチョイスしたん!?




仕方なくキョロキョロ辺りを見回しては色んな人の胸元にある苗字のゼッケンに目をやっている時


思い出したことが。








探す必要ないわこれ



そういや、私の超身近に松野って苗字の松松だらけのやつがいたわ







『 ちょーろおーまーーつうううう!! 』


「 え!? 何っ!? 」






校庭のど真ん中でそいつの名前を大声で呼べば
どっからか返事をしてくれる







いた。






『 来て!!
お題がチョロ松なの!! 』


「 は!? 僕!? 」




大声で名前を呼ばれたからか、少し恥ずかしそうにしながら私の方に駆けてきてくれて




『 走るよ!! 』


「 ええ、ちょっ!! 」






そいつの手を取って引っ張るように走ってゴールを目指す






生徒 「 3組、ゴール!! 」







ゴールするなり私達の組が呼ばれ、お題の紙を確認されて







「 ちょ、お題ほんとに僕なの…?
ピンポイントすぎない? 」


生徒 「 えっと、松野が苗字の人…
あ、お題クリアです!! 」


『 わーい、1位でゴールだ 』







みんなお題に手こずってるみたいで
私達がダントツ1位



1位の旗の所に案内され、そこに腰を下ろせば
チョロ松が顔を少し赤くしながら聞いてくる








「 え、待って。
松野って苗字の人がお題だったの? 」


『 うん、そーだよ 』


「 て、ことは
別に僕じゃなくても、よかったってこと? 」


『 まぁ、松野なら誰でもいいんじゃないの 』


「 でも迷わず僕を選んでくれたよね 」









その言葉に、あー、と何となく頷いて








『 そりゃ、迷わないよ
彼氏だし 』









そう言って笑顔を向けてやれば、また更に赤くなるチョロ松。
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『 でも瞬時に出てこなかったな… 』

「 そこは瞬時に思い出せよ!! 」

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