満員電車 【 一松 】 ページ44
一松side
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「 何してんだよオッサン 」
目の前のオッサンの、その行儀の悪い左腕をぐっと鷲掴みにして睨みつける
「 あ、おいっ、逃げんなっ 」
痛みで顔を歪ませたそいつが、俺にびびったのか慌ててそこから逃げていく
『 い、いいよ一松っ
も大丈夫 』
そいつが許せなくて、追いかけようとした俺の服の裾をきゅ、と掴んで阻止するA
そう、俺ら、今電車乗ってて
そんで、まぁだいぶ混んで所謂満員電車
そんな状況をうまく利用した、変態な輩がいるもんで
彼女のAは、さっき、あのオッサンに触られそうになっていた
「 でも 」
『 一松が、止めてくれたから
なんともないよ 』
「 だけど少し触られたでしょ 」
『 軽く触れたくらいだから 』
そういう彼女の体は少し震えていて
ま、気持ち悪いし怖いわあんなん
あーほんと、あのオッサン許せねぇけど
今のAを安心させるのが優先だよな
「 ほらこっち 」
『 わ、 』
さっきよりは少しだけ空いた電車の中で
彼女の場所を移動させ
扉に押し付けるような形にする
「 これで、大丈夫でしょ 」
Aの背中は電車の扉
Aの前には俺がいる
『 あ、ありがと 』
「 ん、どーいたしまして 」
さっきより空いたっても、まだまだ混んでそんなに空間はないから
彼女との距離がすげえ近くて
いい匂いする
『 あの 』
その状況に、ちょっとバクバク心臓が動いていれば
不意にAが口を開いた
「 なに 」
『 あの、これ
あれだね、あの 』
壁ドンってやつ。
そう言われ、
今自分がどういう体勢なのか、再確認する
あ、壁ドンだわこれ
「 あー、…ヒヒ、照れてる? 」
『 そ、そりゃ照れる…っ 』
まぁ俺も、余裕ないけど
さっきより大きくバクバクと鳴り出す心臓の音が
外に漏れてませんようになんて思いながら
彼女にもっと距離を詰めれば
更に顔を赤くして
『 う、後ろ向いていい…? 』
「 だめ 」
ほんとかわいい、
そう思っちゃえばもう、余裕なんて完全になくなる
ここ外だし、色々できねぇけど
さっきのオッサンに触られたところの消毒も兼ねて、後で色々してやると
目の前の彼女を見つめながらそんなことを考える
怒ってる理由 【 チョロ松 】→←ブラック企業 【 一松 】
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美羽(プロフ) - しゃびさん» 絶対書いて下さいね(≧▽≦) (2018年8月26日 11時) (レス) id: cc175e3c82 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 美羽さん» コメントありがとうございます。某壁ドン松の描き下ろしを見て、これは書かねばとなりました。壁ドンシリーズは他の松でも書けたらいいなと思っております。 (2018年8月26日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
美羽(プロフ) - 一松の壁ドンスゴい良いですね!! (2018年8月26日 11時) (レス) id: cc175e3c82 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます。最高と言っていただいて嬉しいです。ネタが浮かび次第の更新にはなりますが、お付き合いいただければなと思います。 (2018年7月25日 9時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
レン - マジで最ッッ高です!本当良いですね!この作品大好きです♪更新頑張ってください!応援しております( * ▽ * ) (2018年7月24日 22時) (レス) id: 303ffb8087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2018年7月22日 23時