ティッシュ配り 【 十四松 】 ページ42
※付き合っていません
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セミがうるさく鳴いている真夏日
『 あっっっっづ…』
そんな日に、私は
駅前でティッシュ配りのバイトをしている
『 どうぞ〜 』
まぁ、差し出しても取ってくれる人なんてたかが知れてるんだけどね
『 早くクーラーの効いた家に帰りたい… 』
そんなことをボヤきながら
片手で通行人にティッシュを配っていると
「 ねーねー!! おねーさん!! 」
こんなに暑いのに、大声を出しながらこちらに走ってくる黄色い服の人が
え、私?
『 は、はい 』
「 ティッシュ!! ください!! 」
『 え、ああ… 』
あんなに元気よく自分から貰いに来る人も珍しい
そう思いながらも、貰ってくれるのはありがたいので
ティッシュをカゴから取り出し渡す
「 ありがとー!! 」
『 いえいえ 』
「 ねぇ、もっと貰えない!? 」
『 えっ 』
そう言われ、
ちょっと戸惑いながらも、2、3個テキトーに取り出してまた渡せば
「 ありがと! でももっと欲しい!! 」
『 ええ… 』
どんだけ欲しいんだよ
まぁでも、貰ってくれる人もそんなにいないから
ありがたいっちゃありがたいけど
『 どれくらいいります? 』
「 んー、おねーさんが持ってんの全部!! 」
『 は 』
全部って…
軽く30個くらいはあるそれを欲しがるその黄色い人
『 そ、そんなに貰ってどうするんですか 』
「 使うよ!! 」
『 でも流石にこんなにいらないでしょ… 』
「 んー、だってさ、
これ、貰ってくれる人少ないんでしょ? 」
『 え、まぁ… 』
随分ストレートに言われたその言葉に、
なんとなくショックを受けた
でも、すぐにぱっと笑ってその人が
「 だから、おねーさんのために僕が全部貰う!! 」
なんていうから
私も釣られて少し笑っちゃって
欲しいならどうぞ、なんて
そのカゴごと渡せば
またさらに笑顔になった黄色い人
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『 でもなんで私のために貰ってくれるんですか 』
「 え!? おねーさんが可愛いから!! 」
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美羽(プロフ) - しゃびさん» 絶対書いて下さいね(≧▽≦) (2018年8月26日 11時) (レス) id: cc175e3c82 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 美羽さん» コメントありがとうございます。某壁ドン松の描き下ろしを見て、これは書かねばとなりました。壁ドンシリーズは他の松でも書けたらいいなと思っております。 (2018年8月26日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
美羽(プロフ) - 一松の壁ドンスゴい良いですね!! (2018年8月26日 11時) (レス) id: cc175e3c82 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます。最高と言っていただいて嬉しいです。ネタが浮かび次第の更新にはなりますが、お付き合いいただければなと思います。 (2018年7月25日 9時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
レン - マジで最ッッ高です!本当良いですね!この作品大好きです♪更新頑張ってください!応援しております( * ▽ * ) (2018年7月24日 22時) (レス) id: 303ffb8087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2018年7月22日 23時