【 鬼滅の刃 】伊之助さんとそんな日々【 嘴平伊之助 】

伊之助さんに伝えられない日 ページ35

『 伊之助さん、好きです 』



なんて



『 いや無理無理無理ッ!!
どう足掻いても無理! 言える訳ないッ 』



彼への恋心に気づいてからというもの、しのぶさんにこう言われてしまった

" 気持ち、伝えないんですか? "



『 絶対無理… 恥ずかしいしそんな勇気もないし 』



そもそも、もし仮に告白をしたとして
伊之助さんは果たしてその意味を理解してくれるのか?

彼に恋なんて分かるのだろうか



『 このままでいいんだ、別に 』



別に、好きだからと言って伝える気などなかったし、この恋はしまっておくの

伊之助さんとこれからも、今までみたいに話したり一緒に過ごすだけでいい



｢ あ!! Aッ ｣

『 い、伊之助さんっ 』



彼のことを考えてると、大抵彼から現れる
ダメだ、まだ心臓が跳ねる



｢ ホラ、またでっけぇどんぐり見つけてきてやったぜ!! ｣

『 またですか
嬉しいけど、こんなにあっても困りますよ 』

｢ お前どんぐり好きっつってたろ!! ｣

『 い、いやあれは… 』



あはは、と苦笑い

でもこれが彼なりの優しさなんだと思うと、また胸がきゅんとする

そう、これからも、
彼とはこのままずっとこんな感じでいいんだ



｢ …おい、じっとしてろよ ｣

『 え、っ 』



不意に、そう言われ
伊之助さんの顔が近づく

え、なに… 近い、近い



『 な、何を…ッ 』

｢ ん、取れた ｣

『 え、…へ? 』



ついでに手も伸びてくるから、何をされるのかと思わず目をぎゅっと瞑れば



｢ 髪にゴミついてたぜ ｣

『 へ、あ、…ごみ… 』



吃驚した

だってすごく近いから



｢ 何で顔赤ェんだ? お前 ｣

『 な、何でも、ないでス… 』



火照る、顔が熱い
だめだやっぱり、どんどん好きになってるよ私

ずっとこの距離感でいいなんて思いながら、好きの気持ちが募るから



『 い、伊之助、さん 』

｢ ? ｣



思わず好きって、言ってしまいそう



『 す、』

｢ す? ｣

『 ッ、
すし、は好きですか… 』

｢ …スシィ? ｣



でもやっぱり、無理

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