伊之助さんを避けた日 ページ30
伊之助side
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最近妙に、Aが俺を避けやがる
「 オイ 」
『 ふ、布団干さなきゃッ 』
「 あッ テメェ! 」
声をかければ、わざとらしく慌てた様子を見せて逃げる
何だ、俺が何したってんだ
「 オイA 」
『 あ、あ〜、忙しい忙しいっ 』
「 何やってんだお前 」
さっきから同じ場所ばっかり掃除してやがったり、
「 お、」
『 あ、カナヲちゃーん! 』
「 て、テメェ…!! 」
声掛ける前に他の奴んとこ行ったり
意味わかんねぇ… この俺様を避けるとはいい度胸してやがる
「 … 」
『 わ、すみませ
て、ぁ 伊之助さ… 』
「 オイ、もう逃がさねぇぞ 」
『 ッ 』
そいつの前に仁王立ちして道を塞げば、前を見てなかったのかぶつかってくる
ハッ、捕まえたぜ
『 離して、ください 』
「 理由を言え 」
『 え、り、理由…? 』
「 何で最近俺様の事避けてんだよ!
その理由を言えッ!! 」
今まではあっちから俺に声掛けてくんのも珍しくなかったのに、最近ではめっきりそれも無くなりやがった
何となく、嫌だろそんなの
『 …ご、ごめんなさい 』
「 は? 」
『 い、伊之助さんといると、緊張してしまって… 』
「 …は?? キンチョー? 」
訳わかんなくて首を傾げた俺を、少し赤い顔で見上げるA
あ、まただ
その顔、見ると俺、心臓が鳴る
『 いや、こっちの話です…ッ 』
「 あ、オイ逃げようとすんな!!
何だそれ気になるだろーがッ 」
『 何でもないですッ 』
「 ハーァ!? ここまで来てまだ逃げんのかよお前! 」
身を捩って振り解こうとするけど、こいつ力弱ぇな
俺の手はまだがっしりとそいつの細ェ腕を掴んで離さない
「 理由を言えっつってんだろ
何で緊張すんだ、緊張なんかする必要ねぇだろ 」
『 ッだから!!
伊之助さんといると、ドキドキしちゃってダメなんですッ 』
「 ………ハ? 」
顔を真っ赤にしてそう叫んだそいつ
俺といるとドキドキする? ンだそれ
俺何もしてねぇぞ
だけど、ドキドキすんのは、
俺も確かにこいつといると…
「 な、何だよソレ 」
『 分かったら離して下さい… 』
赤い顔を俯かせたそいつにちょっと動揺して思わず手を離す
あ、
「 お前逃げんなって!! 」
『 ちょっと一人にしてくださいッ 』
何だアイツ
アイツの赤くなった顔を見る度、胸が鳴りやがる
うるせぇくらいに
その顔が、カワイイ、とか
「 は? 何だソレ 」
伊之助さんがどんぐりをくれた日→←伊之助さんへの気持ちに気づいた日
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しゃび(プロフ) - 羅門茶.さん» コメントありがとうございます。一気読みしていただけて嬉しいです!伊之助が大好きなのでその気持ちを爆発させて書いた小説なので個人的にも思い入れの深い作品になっています。嬉しいお言葉もありがとうございます! (2020年6月1日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
羅門茶.(プロフ) - 素晴らしい作品で一気読みしてしまいました(T ^ T)この作品大好きです、、 (2020年5月23日 15時) (レス) id: efacd8ff92 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Znさん» コメントありがとうございます。恋愛に対して不器用で可愛らしい伊之助を書きたかったのでそう言って頂けて嬉しいです...!嬉しいお言葉ばかりありがとうございます。他の作品も拙いものばかりですが少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年3月10日 10時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Zn(プロフ) - 本当に素晴らしい作品に出会いました!!もう毎話毎話伊之助の可愛さに震えてました、、他の小説も読んで見ようと思います。 (2020年3月8日 21時) (レス) id: 5d97af5082 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 饅頭さん» コメントありがとうございます。神だなんて勿体ないお言葉ありがとうございます...!思い出深い作品なのでそう言っていただけてとても嬉しく思います。完結してる作品ですが、暇な時にでも読み返して貰えたら幸いです! (2020年3月2日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2020年2月7日 18時