【 鬼滅の刃 】伊之助さんとそんな日々【 嘴平伊之助 】

伊之助さんが怪我した日 ページ2

『 もう伊之助さんってば
じっとしてください 』

｢ アー!? こんくらい何でもねェンだよ!! ｣

『 じゃあこれも痛くないんですね 』

｢ あ…? いッ、イッテェェェ!!! ｣



何すんだよ馬鹿!! と、大きな声で怒る猪頭の男の子



『 こんなに傷が深くて痛くないわけないでしょう 』

｢ テメェが傷んトコ強く押してくるからだろ!! ｣

『 痛くされたくないなら大人しく治療受けてください 』

｢ ぐぬぬ… ｣



全くこの人は、困ったものである。

いつもこうだ
結構な大怪我を負って蝶屋敷に帰ってきても、まともに治療を受けようとせず、俺は平気だの一点張り

今回だって、この傷の深さじゃあ危険なのに



『 はい、できました
今日は絶対安静にしてくださいね 』



なんて言ってもこの人の事だ
どうせベッドの上で大人しく、なんてする訳ないだろうけどね

巻いてあげた包帯を少し不服そうに見つめる伊之助さんを横目に、後で飲むようにと飲み薬を渡す



『 あんまり怪我、しないでくださいね 』

｢ こんなの怪我のうちに入んねぇよ ｣

『 その傷でよく言いますね 』



鬼殺隊である以上、怪我はざらにあることだけれどさ
もう誰も失いたくないし、傷つく姿も見たくないの

なんて、我儘かな



｢ でも、怪我したら ｣

『 はい? 』

｢ 怪我したらまた、お前が治してくれんだろ ｣

『 ……え 』



珍しく、物静かにそう言った伊之助さんの言葉が心に響いて、私らしくもなくどきん、と胸が鳴る



｢ ッシャァ!!
俺はもっと強ェ鬼倒してもっと強くなる!! ｣

『 えっ、あ、ちょっと!? 』



安静にしろって言ったのに…!
突然立ち上がってはそう言って、ダッと走り去る伊之助さん

嵐のような人だ



『 て、あ!!
伊之助さん薬忘れてます〜! 』

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