【 鬼滅の刃 】伊之助さんとそんな日々【 嘴平伊之助 】

伊之助さんの事ばかり考えた日 ページ41

ここはどこ
頭が、体が、痛い

私、何をしてたんだっけ

何故今目の前に



鬼 ｢ あ、やっと目を覚ました ｣

『 ッッ!!! 』



鬼が、いるの
ニタニタと笑う図体がやたらとでかい鬼

自分の状況を見て血の気が引く

鬼の血鬼術か何かで私の体は縛られていて
まるで金縛りのように動けない



『 くそ…ッ 』

鬼 ｢ あーあー、暴れないで
痛い思いをするのは君だよ? ｣



目に見えない糸か何か、体にくい込んで動く度に痛い
血が出てるところもある

ただでさえ非力な私がこの状況から脱するなんて無理な話で
それでも抵抗しようと藻掻く



鬼 ｢ 今からじっくり、時間をかけて楽にしてあげるからさ、落ち着いて ｣

『 ひ、ッ 』



情けない、一度は鬼殺隊を目指した私なのに
力が無く、呼吸も少ししか使えなくて諦めたんだ

今では只管、鬼に怯える事しか出来ないなんて。



鬼 ｢ いやあ、とっても可愛らしい女の子が手に入って良かったよ ｣



鬼のくせに爽やかな笑顔を貼り付けて、満足そうにそう言った

そうだ私、お昼頃野暮用があって少し街に出た
日が暮れ始める頃に用が済み帰ろうとした時、ふと思い出した先日のこと

" 恋人なんて関係、足枷になるだけ "

誰かが言ってたあの言葉



『 伊之助、さん… 』

鬼 ｢ ? 誰かの名前?
残念だけど誰も助けに来ないよ ｣



好きって伝えようと決意した矢先にそんな話を聞いてしまったから、伝えるのを諦めようって

でもやっぱり、どうしても好きで
伊之助さんを見る度好きの気持ちが溢れてどうしようも無い

でも、もし私の気持ちを伝えたとして
彼の足枷になったら? 重荷なんて思われたら

そんなの嫌だ



『 …いの、すけさん 』



そんな事ばかり考えて、周りが見えていなかったの

気づけば夕日は沈んでいて、辺りは真っ暗
まずい、夜だ

鬼が出る、急がなくては

そう思って蝶屋敷に足を早めた所まで、覚えている



『 人攫いの、鬼 』

鬼 ｢ ああ、僕のこと?
鬼狩りの間じゃあそう呼ばれてるみたいだね ｣



最近人攫いの鬼が出るから気をつけろと、しのぶさんが言っていた

ああ、私
こいつに攫われたんだ

本当に情けない



鬼 ｢ 攫われたこと、恨むなら僕じゃなく自分を恨みなよ
ぼーっとしてた君が悪いんだ ｣



確かにそうかも

伊之助さんの事で悩んで、自分のことしか考えてなかった
本当に馬鹿だ、



鬼 ｢ さぁ、何処から食べようかな
君可愛いから、顔は最後かなあ ｣



鬼が近づく

きっと私は、ここで、死

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