【 鬼滅の刃 】かまぼこ隊と恋する短編集 弐

本命 【 伊之助 】 ページ37

二月十四日

好きな人や想い人に、女の子からチョコレートを贈る日




『 伊之助、どこかな 』




私は恋人である伊之助に、手作りのチョコレートを作った

小さなものだけど、結構自信作
可愛く包んだそれを手に持ち伊之助を探す




『 あ、いた…! 』




いた、んだけど
あれ、誰かと一緒にいるみたい



女隊士 ｢ 伊之助くん、これを… ｣


｢ ア? 何だソレ ｣



あの子が持ってる可愛い包、もしかしてチョコレート?

伊之助に差し出してる、あの子伊之助のこと…



受け取るのかな、伊之助の事だし意味は分かってなさそうだけど

何だかその様子を見たくなくて、手に持ったままのチョコレートを握りしめてその場を離れた




｢ …イ、オイ
おいA!! ｣


『 わっ、伊之助!! 』



渡しそびれちゃったな…
どうしようか、なんて思ってたらいつの間にか伊之助が隣にいた




｢ 何してんだよ ｣


『 えっと、』




何となく、咄嗟に自分の背中にチョコレートを隠してしまった




｢ ? 何隠したんだよ今 ｣


『 え 』


｢ 見せろ!! 気になんだろーがッ ｣


『 わ、ちょっ!! 』




でも、呆気なく伊之助に見つかってしまったソレ




｢ あ…? 何だこれ、食いもんか? ｣


『 ちょ、チョコレートだよ
今日、バレンタインって言う日だから 』




知らないだろうな、伊之助は。
でも、大好きだからあげたかったの




『 好きな人に女子からチョコレートをあげる日なの
だから伊之助の為に作ったんだよ 』


｢ ふーん。
じゃあ何で隠したんだよ ｣




だって君さっき、他の子からも貰ってたでしょう

確かに伊之助、顔いいしね
不器用だけど優しいとこもあるし、そりゃ惚れちゃう子もいるよね




『 さっき、伊之助他の子からも貰ってたから 』


｢ ハァ? ｣


『 女の子から渡されたでしょ
でも、他の女の子と私のチョコレートを一緒にされるのは、嫌だったから 』




ただの嫉妬かも、かっこ悪い

そう思って恥ずかしくて俯いた私の手をガッと伊之助が掴む




｢ お前な、俺が何も知らねぇと思うなよ
さっきの女からちょこれーとなんて貰ってねぇよ!! ｣


『 へっ、』




予想外の言葉に思わず顔をあげる




｢ 俺はお前からのしか受け取らねぇって決めてんだよ ｣


『 何、それ 』


｢ ホンメイっつーやつだろ ｣




何それ、知ってたの、




｢ 俺だってスキな奴からのモンしかいらねーよ ｣


『 伊之助のそういうとこ、ずるい… 』


｢ ハァン!? 何がだよッ ｣

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