不安【 炭治郎 】 ページ27
突然だが、
私は竈門炭治郎とお付き合いをしている
のだが。
「 Aッ
待ってくれ!! 」
『 待ちません 』
「 いやほんとにッ
これは一体何なんだ…ッ 」
深夜、炭治郎の眠る布団の上に馬乗りになる私と
その私の匂いを感じた炭治郎が目を覚まさない訳もなく、起きた彼
そんな彼に
『 はい、好きにしてください 』
「 Aッ!? 」
自分の着物を少しはだけさせて誘ってる、つもり。
だって、こうでもしないとさ
恋仲になって随分経つというのに、触れるだけの接吻以上の事を一向にしてくれないのよ
流石に、不安になるでしょう
「 き、着物を着るんだAっ 」
『 … 』
「 何だか変だぞ
一体どうしたんだ、本当に 」
はだけさせていた着物を無理矢理元に戻す炭治郎が、心配そうに私を見つめる
優しいけど、今はその優しさは必要ないの
『 炭治郎の馬鹿 』
「 えっ! お、俺何かしたか!? 」
『 ばか…
何にもしてこないから馬鹿!! 』
まだ炭治郎に馬乗りになったままの私が俯いた拍子に零れた涙が、炭治郎の顔に落ちる
「 それは… 」
泣かないで、と言ってくれているような手つきで私の頬に伝う涙を拭う炭治郎
『 恋仲なのに
こんなに好きなのに、今までずっと何も無くて 』
「 A… 」
『 私、女の魅力無いのかなとか
もしかして飽きられちゃってるのかなとか 』
そんな事ばかり考えて
だからこんな恥ずかしい事、自分から仕掛けたのにというのに
『 炭治郎になら何されてもいいって、思ってるのに… 』
「 いいのか? 」
『 へ、』
「 手を、出しても 」
私を見上げる炭治郎の表情が、優しくて、少し切なそうで
「 我慢、してたよ本当は
俺だって、男だからな 」
『 炭治郎… 』
「 でも、それ以上に大切にしたいって気持ちが強くて 」
この人は本当に、どこまでも優しすぎる人。
「 でもそんな気持ちにさせてるなんてな
ごめん、不安にさせて 」
『 ううん、』
私の頬を撫でる炭治郎の手が暖かいから、止まりかけた涙がまた零れそう
「 女の子としての魅力がないとか、飽きたとか、そんな事絶対無い 」
だから今も、なんて
頬から手が離れたと思えばその手は私の後頭部に移動して、顔を引き寄せられ
少し長い、口付け
「 もう我慢、しなくていいんだな 」
『 好きにして、いいよ 』
二人の夜は、始まったばかり。
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しゃび(プロフ) - ミミさん» コメントありがとうございます。1から見ていただけて嬉しいです!個人的に一番炭治郎のお話を書くのが難しいと思ってるのですが、この作品で更に好きになって頂けたようで嬉しく思います。 忙しくて中々こちらに来れないのですが、後ほどボード確認しますね! (2020年3月26日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 1からイッキ見しました!しゃびさんの作品で以前より炭治郎が好きになりました!ボードにも数日前に書き込みましたので見てって欲しいです。好みどストライクでした! (2020年3月26日 10時) (レス) id: ddeda9ef75 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - あいすさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。続編も期待してくださってありがとうございます。私個人としても続編を作りたいと思っているのでそちらが出来た際にはお暇な時にでも読んでいただけたら嬉しく思います! (2020年3月23日 1時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 完結おめでとうございます!!この作品大好きなので、続編期待しています! (2020年3月22日 16時) (レス) id: 3a45dfb233 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - ミナさん» コメントありがとうございます。沢山の方々に読んでいただけたおかげで楽しく最後まで書くことが出来ました。続編は後々作ろうかなと考えていますので、そちらが出来たらまたお暇な時にでも読んでいただけたら幸いです。 (2020年3月21日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2020年1月15日 19時