【 鬼滅の刃 】かまぼこ隊と恋する短編集 弐

狸寝入り 【 善逸 】 ページ25

｢ うわ、ちょ、えッ ｣


『 … 』






善逸があまりに気持ちよさそうに寝てるから少しだけ、なんて思って善逸の眠る布団に入り込んだだけ



少しだけ、添い寝するつもりだったのに案外思い切り寝てしまって






｢ うわ、どうしよ
え、何この幸せすぎる状況… 夢? 俺まだ寝てる? ｣


『 …… 』






善逸の戸惑う声に脳は起きたんだけど、あまりに感動されるものだから目を開けずに

狸寝入りを決め込んだ







｢ えぇ… もうちょっと、可愛すぎない?
何で同じ布団に入ってきちゃうかなぁ ｣




でへへ、なんて変な笑い声と恐らく堪えられてないであろうにやけ面。


いつ目覚めてやろうかしらなんて考えてたら





｢ ほっぺた柔らかすぎ… 肌つるつる…｣





私の頬をつついたり軽くつまんだり、優しく撫でたり

変に遊び始めるから擽ったいし、何だか恥ずかしい






｢ はぁもう、ホント可愛いなぁ
天使? 天使かな?? いやもうこんな可愛い子が俺の恋人でいいのかな… ｣






ああもう、褒めすぎ

顔が熱くなる、心臓どきどきする






｢ …ね、Aちゃん ｣


『 ッ 』






呼ばれた名前と同時に、額に柔らかい感覚

善逸の唇が額に触れて






｢ 起きてるんでしょ、知ってるよ俺 ｣


『 ッぜんいつ、』





その行動と言葉にぱっと目を開けば、満足そうに笑う善逸がいて






｢ 俺が耳いいの忘れてない?
寝てる時の音と全然違うし、それに ｣




心臓の音バクバク聞こえてたよ、なんて






｢ ドキドキした? ｣


『 〜ッ
ば、馬鹿善逸!! 』


｢ いやなんでッ ｣





恥ずかしさとか、何か色々溢れて
近かった善逸の顔をぐっと押しのける




｢ 狸寝入りしてたのそっちじゃんか!! ｣


『 気づいてたなら最初から言ってよ! 』


｢ だって狸寝入りですら可愛いんだから仕方なく無い!? ｣


『 な、何それ!! 』





布団の中で二人、
くだらないけどちょっと楽しい、言い争い







｢ でも目が覚めた時一番に視界に映るのがAちゃんなのいいなあ ｣


『 そ、そうなの? 』


｢ うん、もう超幸せ
毎朝それだったら俺超頑張れるしもうどんな鬼でも倒せる気がする ｣






単純だなあ、なんて思うけど
そんな言葉がどうしようもなく嬉しくて



善逸の顔に自分の顔を近づけ、少し押し付けるように口付けをする







『 結婚、したら
同じ布団で寝てあげてもいいよ 』


｢ なッ、な、何なにナニソレ!?
エッ無理好き反則好き結婚しよ今すぐッッ!! ｣

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