彼なりの合図 【 伊之助 】 ページ22
『 ふあぁ… 』
大きな欠伸ひとつ、
時計の針はもう零時を回るそんな時間に一人、蝶屋敷の縁側に座る
『 そろそろ寝ようかな 』
何をするでも無いけど、眠れなくてただ空に浮かぶ月を見つめていた
でも、いい感じに眠くなってきたし
さあ寝ようかと、立ち上がろうとすれば
「 …オイA 」
『 わッ、び、吃驚した 』
後ろから、聞き慣れた声
びくっと肩を揺らして振り返ればそこには伊之助がいて。
『 こんな遅くにどうしたの 』
「 お前こそ 」
そう言いながらゆっくり私に近づいてくる伊之助
『 伊之助? 』
「 ん 」
まだ座ったままの私に視線を合わせるようにしゃがみ込んだ伊之助が
徐に被っていた猪頭を取るから
ああこれは。
『 ん、っ 』
接吻というものを、して欲しい彼なりの合図だ
「 …っ、」
『 ん、はッ
ン…ッ 』
それに答えるように私が伊之助の唇に自分の唇をつければ、何度か角度を変えるように触れて
次第に深くなる
『 ん、い、
いのす、けッ 』
「 黙ってろ 」
有無を言わせないその口付けに
心臓が煩い
顔が熱い、熱で溶けそうだ
『 は、ん…ッ
ん、ぁ 』
「 ン…
は、」
ああもう、こんな深い口付け
何処で覚えてきたの伊之助。
私と恋仲になるまで、接吻の"せ"の字も知らなかったくせに
『 も、伊之助… 』
「 あ? ンだよ 」
深いソレが、少し苦しくなって伊之助の胸板を押して無理矢理距離を取れば不満そうな顔をされる
『 もう十分でしょ 』
「 ハァ?
まだまだ足んねェよ 」
これからだろって、月明かりに照らされた目を細めて笑う伊之助の顔があまりに綺麗で、かっこよくて
胸が高鳴る
ああ、明日朝、早いのに。
「 ここまできてお預けはねーだろ 」
『 ばか 』
馬鹿じゃねぇよ、
そう言いながらまた、私の唇は伊之助によって塞がれて
懲りずに深い、深い接吻
『 ん、ッ 』
段々伊之助の体重がこちらにかかってきて
自然と押し倒される形になる
『 ま、待って…ッ
せめて、場所変えよ 』
流石にここは
縁側だし丸見えである
『 部屋に、行こう 』
「 しょうがねェな 」
取り敢えず部屋に、
伊之助を言い聞かせて部屋に戻れば
『 ンッ…!? あッ
いのす、』
「 もうガマン出来ねェぜ 」
部屋に入るなり、深い口付けと
あっという間に布団の上。
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しゃび(プロフ) - ミミさん» コメントありがとうございます。1から見ていただけて嬉しいです!個人的に一番炭治郎のお話を書くのが難しいと思ってるのですが、この作品で更に好きになって頂けたようで嬉しく思います。 忙しくて中々こちらに来れないのですが、後ほどボード確認しますね! (2020年3月26日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 1からイッキ見しました!しゃびさんの作品で以前より炭治郎が好きになりました!ボードにも数日前に書き込みましたので見てって欲しいです。好みどストライクでした! (2020年3月26日 10時) (レス) id: ddeda9ef75 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - あいすさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。続編も期待してくださってありがとうございます。私個人としても続編を作りたいと思っているのでそちらが出来た際にはお暇な時にでも読んでいただけたら嬉しく思います! (2020年3月23日 1時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 完結おめでとうございます!!この作品大好きなので、続編期待しています! (2020年3月22日 16時) (レス) id: 3a45dfb233 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - ミナさん» コメントありがとうございます。沢山の方々に読んでいただけたおかげで楽しく最後まで書くことが出来ました。続編は後々作ろうかなと考えていますので、そちらが出来たらまたお暇な時にでも読んでいただけたら幸いです。 (2020年3月21日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2020年1月15日 19時