喧嘩 【 善逸 】 ページ20
喧嘩をした
『 もう知らない 』
泣きながら夜道を一人歩く私
善逸と喧嘩をした
『 善逸が悪いし 』
意地を張って、ボソボソとそんな事ばかり呟く
些細な言い合いから始まった喧嘩
空気に耐えられなくて、善逸とあれ以上同じ部屋にいたくなくて
飛び出してきたのだ
『 情けない 』
泣き虫だけど優しくて、普段温厚な彼を怒らせた私が悪いのに
一番自分にやるせなさを感じて涙を流して歩いていると
「 おお、丁度いい獲物が 」
嫌な声が背後から聞こえて
『 ッ!! 』
鬼 「 おや、何だ一般人じゃないのか 」
振り返るのと同時に刀を抜く
見なくても分かる、鬼の気配だった
『 ああもう、こんな時にッ 』
鬼 「 まぁいい、女は女だ
俺に勝てまい 」
馬鹿にするその鬼に刃を向けて
大丈夫、大丈夫
ただの鬼だ、そんなに強くない
そう言い聞かせ、鬼に立ち向かう
鬼 「 そんな構えじゃ勝てないぞ
隙がありすぎる 」
『 ! 』
まさか鬼が出るなんて考えていなかったから闘う準備が出来ていなかった
喧嘩の件とか、突然の鬼の事とか
頭が追いつかなくて、出来た隙
まずい、攻撃を食らう
そう思った時
「 雷の呼吸 壱ノ型 」
ああこの声は。
霹靂一閃
その声と共に、一瞬で鬼の頚が空高く飛ぶ
『 ぜん、いつ… 』
「 ッ、は!! 」
目を瞑っていた善逸がパッと目を開いて
「 ひぃぃっ 鬼ィッ
…て、あ!! Aちゃんッッ 」
私を見るなり駆け寄って、抱き寄せられる
「 馬鹿!! こんな夜に一人でッ
俺どれだけ心配したか分かる!!? 」
『 善逸… 』
「 いくら鬼殺隊でも、Aちゃんは女の子だし 」
抱き締められたその腕に力が篭もるのを感じて
「 俺の、大切な人なんだ
一人で急にどっか行かないでよ 」
『 ご、ごめんね
善逸 』
喧嘩したと言うのに、追いかけてきてくれたのか
こんなに心配してくれて
『 ごめん、ごめんね 』
「 ううん、
俺の方こそごめんね 」
喧嘩の内容なんてもう、どうでもいい
善逸がこんなに私を想ってくれてる事が伝わって
嬉しくて、
『 ありがとう、善逸 』
「 お礼なんていいよ 」
また零れてきた涙を見られなくなくて
善逸の胸元に顔を埋めて同じように抱き締め返す
「 もう俺から離れないでね
いざって時に守れないだろ 」
『 うん 』
593人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゃび(プロフ) - ミミさん» コメントありがとうございます。1から見ていただけて嬉しいです!個人的に一番炭治郎のお話を書くのが難しいと思ってるのですが、この作品で更に好きになって頂けたようで嬉しく思います。 忙しくて中々こちらに来れないのですが、後ほどボード確認しますね! (2020年3月26日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 1からイッキ見しました!しゃびさんの作品で以前より炭治郎が好きになりました!ボードにも数日前に書き込みましたので見てって欲しいです。好みどストライクでした! (2020年3月26日 10時) (レス) id: ddeda9ef75 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - あいすさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。続編も期待してくださってありがとうございます。私個人としても続編を作りたいと思っているのでそちらが出来た際にはお暇な時にでも読んでいただけたら嬉しく思います! (2020年3月23日 1時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 完結おめでとうございます!!この作品大好きなので、続編期待しています! (2020年3月22日 16時) (レス) id: 3a45dfb233 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - ミナさん» コメントありがとうございます。沢山の方々に読んでいただけたおかげで楽しく最後まで書くことが出来ました。続編は後々作ろうかなと考えていますので、そちらが出来たらまたお暇な時にでも読んでいただけたら幸いです。 (2020年3月21日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しゃび | 作成日時:2020年1月15日 19時