【 鬼滅の刃 】かまぼこ隊と恋する短編集 弐

髪の毛 【 伊之助 】 ページ12

※付き合っていません
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ザキッ、ザキッ、と
たまにブチッと、そんな音が聞こえてきて。




『 ?
て、伊之助くん!? 』





気になってその音がする方へと足を運べば、そこには伊之助くんが

自身の日輪刀を手に持ち、それで髪を切っていた






『 ちょ、それで髪切っちゃダメだよ 』


｢ 仕方ねェだろ、伸びてきて邪魔なんだ! ｣





乱雑に刀で髪を切っている
ああ、折角綺麗な髪の毛なのに。





『 もう、ちゃんと鋏で切りなさいよ 』


｢ ハサミィ? ンなの使ったことねェもん ｣


『 じゃあちょっと待って 』






髪にも刀にも良くないし、
そう思った私は彼の髪を切ってあげることにした





『 ここ座って 』


｢ 何だよ、やってくれんのか ｣


『 うん
傷んじゃったら勿体ないし 』






てっきり辞めろとか言われるかと思ったけど、案外素直に私の前に座ってくれた伊之助くん




毛先がばらばらになってしまった髪を整えようと鋏を入れる






『 わ、伊之助くん思ったよりサラサラ 』


｢ そーか? ｣


『 女の子みたいだね 』


｢ アァ!? ｣




あ、ちょっと怒った
女の子みたい、は禁句なのか





｢ 変な風にしたら許さねェから ｣


『 日輪刀で切るより変にならないよ 』




こう見えても私、結構器用な方なんだよ

出会った頃より伸びた伊之助くんの髪を切りながら整える





『 うん、いい感じ 』


｢ 出来たか? ｣


『 うん、
あ、ちょっと待って、最後に 』






大分綺麗になったし、整ったはず。

これで完成なんだけど、少し遊んでみたくなって






『 、ふふっ 』


｢ あ? 何笑ってやがる!! ｣


『 んーん、完成したよ
可愛い 』


｢ おー、出来たか! ｣






ほら、どう?
と、手鏡を差し出す






｢ ハッ!? な、ンだこれェ!!? ｣


『 ふふ、あははっ
可愛いよ伊之助くん 』


｢ ふざっけんな! 今すぐ外せ!! ｣





そういう伊之助くんの髪型は、二つ結び。

女の子みたいに可愛いお顔をしているし、髪も綺麗だから思わずやってみたくなって





｢ 今すぐ外せこれ!! ｣


『 可愛いのに 』





嬉しくねェ! と、ぷんぷんお怒りの伊之助くんだけど
髪型のせいで怖くない。





『 じゃあほら、私も 』


｢ は? ｣


『 お揃い 』





私も自身の髪を結って、二つ結びにして見せる








｢ オソロイ… ｣


『 悪くないでしょ 』


｢ もう少しだけなら、許してやる ｣

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