【 鬼滅の刃 】かまぼこ隊と恋する短編集

守るため 【 伊之助 】 ページ23

※夢主さん柱設定
※付き合っていません
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｢ ガァァァァッ! クッソ負けたァ!! ｣





悔しそうな声を上げる猪頭の伊之助くん。




何日か前に伊之助くんから勝負しろと頼まれ、
ここ最近は稽古という体で手合わせをしていた







｢ 強え、強え!!
これで今日は四十六敗目だ! ｣


『 い、一回休憩しよ? 』


｢ まだまだァ!!
お前に勝つまで止めねぇ! ｣


『 いや休憩くらいはしよ!? 』







本当は、柱同士でしか手合わせとかはしないけど
伊之助くんがどうしてもと言うから、稽古の一環としてやっているのだ




これでも一応、柱である私は伊之助くんに何度も勝っているけど

彼の成長の速さは尋常じゃないし、何度か負けそうな時もあった






『 さすがに疲れたよ、休もう? ね? 』


｢ アー!? こんくらいでへばんなよ柱だろ! ｣


『 柱だって朝からぶっ通しで手合わせしてたら疲れるよ!! 』







何故彼は疲れないのか



寧ろ、朝よりさらにギンギンとしているように見える







｢ 俺はお前に勝つ!! ｣






ウオオオオ!! なんて、気合を入れてるのか
木刀を両手に持ったまま腕をブンブン回している







『 前向きなのはいいことだけど、
どうしてそんなに私に勝ちたいの? 』





強いのはいいことだけど
私に勝つという事に異常なほど固執してるように見える彼に、私は問掛ける







｢ んなの決まってんだろ!
強くなりてェからだ!! ｣


『 それはわかるけど… 』


｢ 柱であるお前に勝って、お前より強くなって
お前を守れるくらい強くなりてぇからだ!! ｣







猪頭越しからでも分かる、真っ直ぐで純粋な視線





なんか今、さらっと
かっこいいこと言ってなかった…?






『 な、え、な、なにそれ 』




何、

私を守れるくらいって。







｢ いくらお前が強くても、お前がアブネー時は俺様が守るって決めてんだよ!! ｣





俺が! と主張する様に、立てた親指を自分に向ける伊之助くん







『 何だそれ… 』


｢ 大事なヤツ守りてぇと思うのは当然だろ!! ｣






ああもう、ほんとに

そんなこと言われたら、自惚れてしまうよ






『 ま、負けました… 』


｢ ハァ? 勝ってねーよまだ! ｣


『 でも負けました… 』






貴方のそのかっこよさに。




ドキドキ胸が高鳴ってうるさいし、







｢ お前に勝って、お前を守ってやるから覚悟しろよな! ｣


『 めちゃくちゃだよもう 』

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