【 おそ松さん 】むつごと恋する短編集

本心 【 トド松 】 ページ37

トド松side
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『 この写真の女の子、誰でしょう 』


「 うっ… そ、その子はね… 」







僕は今、彼女に怒られている






『 浮気ですね 』


「 だから違うからぁ!! ちょっと話聞いて!! 」






僕のスマホの画像フォルダに入っていた、女の子とのツーショットの写真を見ながら

浮気だと決めつけるA






でももちろん、浮気なんかじゃない







「 ただちょっと誘いが断れなくて… 」


『 じゃ、なんでこんな楽しそうなの 』


「 それはっ、その場のノリというか…
その時の空気に合わせてただけで 」





半分本当で半分嘘




断っても断ってもしつこくて、仕方ないから遊んだけど



途中から普通に楽しんでいた僕




「 でも浮気じゃない!! 」


『 あーあ。もう私も誰かと浮気しよー 』


「 は!? 」





そう言いながら自分のスマホを耳にあてるA



え、何




『 もしもしおそ松くん〜? 』




!?





何かと思えば、


あろうことかおそ松兄さんに電話をかけて、変なことを聞き始める



『 ねぇ今から私と浮気しない? 』


「 馬鹿なの!? 」




待って待って、僕が悪かったから。





他の奴になんか渡すかよ




Aは僕の彼女なんだ





「 ごめんって、謝るから!!
でもまじで浮気じゃなくて… 」




情けないけど、Aに縋りついて許しを乞う僕




「 僕が好きなのはAだけだよ
そんなの当たり前じゃん
だからさ… 」





他の奴となんて考えないでよ




そこまで言って彼女の顔を見上げれば


イタズラな笑顔。






「 …は? 」


『 トド松、電話誰にも繋がってないよ 』





って。






これは







やられた!




「 ちょ、ふざけんな! 僕のことからかったの!? 」


『 そうじゃないよ
ただ、本心聞きたかっただけ 』


「 そんなんいくらでも言ってあげるから、心臓に悪いことやめて!! 」





そこで、結構恥ずかしいことを言ったことに気づく




『 いくらでも言ってくれるの? 』





だけど彼女は、その言葉にキラキラした目で




そんな目で見られたらね。





「 はぁもう
言うよ言う!! だから浮気だけはやめて 」


『 じゃあトド松も
他の女の子と、あんまり楽しそうにしないで 』








さっきのイタズラな顔とは一変し、


ちょっとだけ弱々しい顔





そんな顔で、照れながらいうもんだから

まぁ可愛い






そんな彼女に




もう絶対、君だけ



そう心に決める

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