紫色 【 一松 】 ページ13
一松side
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「 へぇ… 今日は白か 」
『 挨拶より先にスカートめくるのやめてくれない? 』
「 何言ってんの
俺の国ではこれが挨拶なんだよ 」
『 どこの国の人だよ 』
Aはいつもスカートを履いている
だから俺は決まって、スカートをめくり色を確認する
つっても、外じゃ流石にできないから俺ん家に遊びに来た時限定だけどね
そんで、今日もAが俺の家に来る
今日は何色かな
こないだ白だったからな
そんな気持ち悪いことを考えていると、家のチャイムがなる
『 一松、きたよ 』
「 ん、いらっしゃい 」
玄関先まで迎えに行って、部屋に案内する
「 よし、いつもの 」
『 何恒例行事みたいになってんの 』
俺がいつものようにスカートをめくろうとすると、呆れた声が上から降ってくる
が、そんなのは気にせずにめくる
「 …、は 」
『 なに 』
「 え… なんで
青色なんか履いてんだよ 」
『 ええ… 別に何色でも良くない? 』
青だ
今日Aが履いている色は青
別に何色を履こうが自由だし、関係ないけど
でも青は気に入らない
青って、あいつの色じゃん
とか、勝手に次男の色と照らし合わせてしまう
『 あー…
もしかして、カラ松くんの色だから? 』
「 はぁ!?
そ、んなんじゃねーよ別に! 」
明らかに動揺してんじゃん
絶対、バレてる
『 いやー、たまたま手に取ったのがこれだったってだけだし、深い意味は無いからさ 』
「 だから別に何でもねーよ! 」
『 あ、因みに今日は上も青だ 』
「 はっ!? 」
あ、A今ちょっとニヤッとした
くそ、全部わかってんなこいつ
「 俺、単純に青が好きじゃないだけだし 」
『 分かったよ、次からは黄色とか着てくる 』
「 は!? 紫にしろよ!! 」
あ。
『 ふふ、ふっ 』
「 なに、笑ってんの 」
『 いや、別に
次からはちゃんと紫着てこよって思ってるだけ 』
「 〜〜〜っ 」
くそ、俺のペース全部持ってかれる…
「 …あ 」
『 ん? 』
「 ねぇ、Aに青は似合わないから脱がせてあげるよ 」
『 えっ、ちょ、は!?
ま、待って一松っ 』
「 誰が待つかよ 」
こっからは俺の色とペースで
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「 あれ、十四松
お前、玄関先で何してんの? 家入らないの? 」
「 チョロ松兄さん
今は紫色以外入っちゃダメだよ 」
「 は? 」
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しゃび(プロフ) - 苺夢さん» コメントありがとうございます。好みと言って下さり嬉しい限りです...!拙い短編集ですがお楽しみいただければ幸いです。短編集は幾つか続編もありますので、興味があったら是非そちらもよろしくお願いします。本当にありがとうございます! (2018年12月27日 23時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
苺夢(プロフ) - すごい好みの作品です!!まだ読み始めたばかりなんですけど(笑) これからも沢山読ませていただきます!いろいろと、頑張ってください!! (2018年12月27日 23時) (レス) id: 4fd2aa824a (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Fall ill appleさん» コメントありがとうございます。神なんてとてもとても... ですがそう言っていただき本当に嬉しい限りです。こんな短編集ですが、楽しんでいただけているのなら幸いです。本当にありがとうございます。 (2018年7月27日 19時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - 面白いというか神ですね。素敵な短編集をありがとうごさいます。本当にリスペクト。 (2018年7月26日 19時) (レス) id: 1efb67011f (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。長編の小説も同時更新していますので、そちら優先になってしまい、短編集の方は思いつき次第の更新になりますが、それでも気長にお待ちいただければ幸いです。 (2018年7月19日 18時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2018年7月1日 22時