【 おそ松さん 】むつごと恋する短編集

イベント 【 チョロ松 】 ページ21

※付き合っていません
チョロ松side
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ある人気アニメのイベントに参加するべく、そのイベント会場まで行くと、もう既に大勢の人達が並んでいた



嘘だろ、混んでることは知ってたけど
それを見越して朝早くから家を出たってのに…



落胆しつつ、渋々その列の最後尾に並ぶ





と、僕のひとつ前に並んでいた女の人の足元に
イベント参加券が落ちているのに気がついた




「 あの、すみません 」




参加券を拾い上げ、前の人に話しかけると
ハッとしたようにこちらを振り返る





え、なんか、すっごい可愛い




『 あ、あの 』




僕がぼーっと見とれていると、彼女から言葉を発してきた




「 えっ! あ! すみません!
これ足元に落ちてたので、あの、 」




普段あまり女の子と話さないせいか、キョドってしまう




『 それ、探してたんです! ありがとうございます!! 』




よかったぁ、とほっとしている様子で僕から参加券を受け取る

本当にありがとうございます、と僕に何度もペコペコしてくる彼女に、大丈夫ですよ! と声をかける




というか多分、このイベントに参加するってことは
このアニメが好きってことで…



え、こんなに可愛い子が!?



しかも1人で来てるっぽいし、それって相当アニメが好きじゃないとできないんじゃ…




1人でもんもん考えていると、前に向き直していた彼女がもう一度振り返る




『 あの、このアニメ好きなんですか? 』


「 えっ! あ、大好きです!! 」





大好きとか言っちゃったよ

キモいか、僕




『 あ、私もすごい好きなんです!
こういったイベント初めてなんですけど、参加してみようと思って 』



彼女があまりにも明るい笑顔で話すから、本当に好きなんだろうな、と思いながら話を聞く




『 あのもしよかったら、イベント一緒に回りませんか?
参加券拾ってもらっちゃったし、お礼もしたいですし… 』


「 はい、いいですよ…
って、えっっ!? 」





あっちから誘いが来ると思っていなかったため、かなり驚いて硬直してしまった僕に、
迷惑だったら大丈夫です、なんて遠慮がちに言うから、慌てて否定する




「 い、いやいや! 僕は大歓迎ですけど!
むしろ、僕でいいんですか? 」


『 もちろん!
私、こういう所で同じ趣味の方と出会うの夢だったんです… 』





少し俯きながら言うその人に、目も心も奪われる





「 ぼ、僕で良かったら是非!! 」





このイベント、マジ来てよかった

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