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充電完了 ページ9

総統室に入るとグルッペンがペンを持つ手を動かしながらぶつぶつ文句を言っていた

gr「あ〜終わらねぇぇぇ」

『サボってないなんて偉いじゃない』

gr「お前が褒美をくれると言うからな」

書類を見たままそう言った
なかなか可愛いところあるじゃない
思ったことは言わずに書類を確認する

『すごいじゃない、ほぼ終わってる』

gr「ん〜」

どうやら頭はあまり回ってないらしい
これはもうダメね

『今日はここまででいいわ』

gr「本当か!?」

グルッペンは目を輝かせてガタリと席を立った
単純
それがグルッペンのいいところでもある

gr「褒美は!」

『…なんの事?』

グルッペンは怪訝そうにあたしに詰め寄った
顔が近い
はぁ〜逃れられそうにないわね

『冗談よ、…何も考えてなかったの。要望をひとつ聞いてあげることにするわ』

gr「キス」

『は?』

gr「充電させてくれ」

グルッペンの肩を掴んで引き剥がす
本当に頭がおかしい
でも

『いいわよ』

あたしの頬に手を添えようとした手を叩き落とした

gr「…言ってることとやってることが違うぞ」

『口はダメ。それ以外』

だって恋人同士でもないのだから
グルッペンは「わかった」と頷いてあたしの首筋に頭を埋めた

グルッペンの吐息があたってくすぐったい
ムズムズしているとそこに少し痛みが走る
…ちょっと待って

『今、痕つけた?』

gr「バレたか」

舌打ちをするグルッペンを引き剥がして手鏡を取り出す
首の右側、しかもあたしのロングに隠れないように前側に
してやられた
絶対この男、計算済みだ

『最低』

gr「口はダメとは言われたが痕をつけてはいけないとは聞いてない」

『ああ言えばこう言う』

いや、こればっかりは隙を見せたあたしが悪い
早く部屋に戻ってコンシーラーとファンデーションで隠そう

『はぁ…今回は許してあげるわ』

gr「予想外の答えだな」

『今日は頑張ったみたいだしね』

嬉しそうなグルッペンにひらひらと手を振って総統室を出た
さて、自室に戻るまでに誰にも会いませんように

致し方なし→←その名は信頼



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作者名:雪白ましろ | 作成日時:2024年3月4日 20時

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