検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:384 hit

不器用な愛 ページ15

ついた先はシッマの自室
中に入るとタバコの匂いが漂う
散らかっていて机の上には書類だらけ

kn「ん、そこ」

シッマがベッドを指さしたので大人しく座った
まさか書類手伝えとかそういう交渉?

首を傾げていると錆び付いた救急箱を持ってあたしの隣に腰を下ろした
ギギギ、と音を立てて救急箱を開く

kn「えーっと、どうすればええんや…」

悩みながら冷却シートを手に取って、あたしの手首に巻いた
嘘でしょ、あのシッマが手当てを?

『…人間って驚きすぎると声が出ないのね』

kn「何に驚いてんねん、俺やってこれくらいするわ」

『嘘ね』

kn「…なんでわかってん」

『救急箱が錆び付いてるのがその証拠よ』

シッマは少しムッとしてあたしを見た
その後、少し照れたように目をそらす

なんだか犬に見えてきた

kn「…初めて人に手当てとかするから下手やけど、なんもせぇへんよりええやろ」

頭を悩ませながら包帯をぐるぐる巻く
不器用すぎてぐちゃぐちゃ
でもなんだかそれすらも愛おしく思えた

kn「なにわろてんねん」

『下手すぎて笑ってる』

kn「初めてや言うたやろ!」

『そもそもこの処置の仕方正しいの?』

kn「わからへん…でもとりあえず冷やしとったらええんちゃう?」

冷却シートも放置されていたからあんまり冷えてないし、なんだかただ手首に包帯を巻いただけな気がする

手当ての終わった手首を見る
乱雑に巻かれた包帯、今すぐにでも取れそう

『…ありがと』

kn「お前から感謝の言葉を聞けるとはやった価値あったな!」

大声で笑うシッマの頭にチョップする

『調子に乗らない』

kn「すんまへん」

『今日の分の書類をしっかり終わらせること。トントンにこれ以上、苦労かけないこと』

そう言い残して部屋を出た
最後に気の抜けた返事が聞こえた

パタン、と閉めた扉に背を預けてもう一度手首を見る
なんだか口角が上がってくる

『怪我も悪くないのかも』

そう呟いて、総統室へ戻った

誰にも頼らない→←言いたいこと



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , d! , 軍パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪白ましろ | 作成日時:2024年3月4日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。