【d!】有能秘書奮闘日記 (ページ11)

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23時過ぎ
お風呂に入って髪を乾かしたあとドレッサーに座る
首の右と左、綺麗に対称的にある赤い痕
もう寝るだけだけど、昨日みたいにゾムに忍び込まれて見られたら大騒ぎだろうし
メイク用品を使って隠す

ふぅ、とひとつ息をついたところで部屋のドアがノックされた

ut「僕です〜」

あぁ、なんだか嫌な予感
ドアを開けると案の定、左頬が手形に赤くなってる鬱がヘラヘラ笑って立っていた

『女性と何かトラブルがある度にあたしの所へ来るのやめてくれる？』

ut「ええやん、癒されたいし」

あたしの横を通り抜けソファに腰かける鬱

女遊びの激しい鬱は何かあるとすぐにあたしの自室へ訪れる
意図はわからない

あたしは冷蔵庫を開けてペットボトルを取り出した

『とりあえず赤くなってるし、これで冷やしておきなさい』

ut「ありがとお〜。あ、Aのお気に入りのりんごジュースや」

ペットボトルを渡して隣に座る
鬱はペットボトルを頬にあててあたしを見た
何か言いたげだ

ut「…お風呂上がりなのにメイクした？化粧品の匂いがすんねんけど」

女をシャンプーの香りで覚えてる、と聞いたことがあるけどここまで鼻が利くと思わなかった

『気のせいでしょ』

ut「そ、っか…気のせいかぁ」

またへらりと笑う鬱に安堵する
よかった、誤魔化せた

ut「俺、Aの匂い好きだから自信あってんけどな」

『他の女性にも同じこと言ってるんでしょ？』

ut「ん？いや、Aは特別」

表情を一切崩さずに言う鬱に顔を背ける
こういうことを普通に言えるのがこの男だ

『馬鹿なんじゃないの』

ut「ねぇこっち向いて」

無視しているとグイッと腕を引っ張られる
反動で顔を鬱へ向けた

あ、しまった

ut「Aの赤面、レアやね」

顔が熱くなってるのがわかったから顔を背けたのに
こういうことに関しては鋭い鬱が嫌い
ずるい

ut「本当に可愛い、A」

あたしとは正反対の余裕な顔でそう言う鬱に、さっきと全く同じことを言った

『…他の女性にも同じこと言ってるんでしょ』