【wrwrd!】とある一国の非日常【長編小説】 (ページ8)

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「ふむ、流石ロボロ仕立ての服だ」

「似おうとるな！」

私の事を皆凄く褒めてくれる。ただロボロさん(？)にドレスを着付けられただけなんだけど。
……これ、着てて不思議だな。太腿にスリットが入ってる。スリムなやつだな。"こういうタイプの"ドレスなんてそうそう着ないし。

取り敢えず私の仮名は「クロ」に決まった。コネシマさんの「黒い服やから！」という理由から決まったんだけど…かなり安直だね。嫌いじゃないけど。

「クロちゃん♪可愛いな？一緒に食事行かへん？」

「お誘いありがとうございます、遠慮しておきますね」

「ありゃ、ガード硬いわぁ」

あと、鬱さんはお食事に誘ってくれるのは嬉しいけど下心丸見えすぎて紳士とは言えないや…。気持ちだけ受け取っておこう。

「さて、茶番も終わりにして。グル氏んとこ行くかぁ」

「ちょ、ゾム!?酷ない!?」

「酷ないやろ。さ、じゃあ会議室まで案内したるわ」

「有難うございます」

このゾムさんはなんか見た目は怖いけど中々優しい人だった。人は見た目に依らずとはよく言ったなぁ…。
暫くして辿り着いたのは皆が言うには「会議室」。一番偉いとこに座ってるのは多分"グル氏"なんだろうな。多分だけど。

「やぁ。オスマンから話は聞いたゾ。よろしゅうな」

「えぇ、此方こそ拾って頂き有難いです」

「ふむ…そのドレスの着心地はどうだ？振舞いを見る限り、着慣れてない訳では無さそうだが」

この人…観察眼がかなり冴えてるな。会って数秒で私の振舞いについて指摘してきた…。やっぱり十数年間の癖は抜けないって所かな。取り敢えず誤魔化しておこう。
うん、きっと大丈夫。