【wrwrd!】とある一国の非日常【長編小説】 (ページ27)

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#27 ページ27

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「…どういう事？」

「どういうことも何も、そういう風に生まれたのだから仕方ないだろうA」

少しニヤ、としながらお父さんは手元の銃を取り出す。それに合わせてゾムが剣を、グルちゃんが銃を取り出し応戦状態に入る。私は予め渡されていた拳銃を少し緩く構える。銃のひんやりした温度が私に冷静さを取り戻させる。

「考えても見ろ…あんなに動物が、死人がいた中でお前は普通に歩いていたんだ。そしてこいつらに出会うことが出来た。可笑しくないか？死人のいる、ウィルスに侵された街で、"普通に"歩くことなんて困難だろう？」

「つまりは、AのDNAはウィルスに侵されにくい…と？」

「あぁ。そうじゃないと私はお前など引き取りはしない」

「引き取る？ということは、」

「Aは俺の実の子ではないよ。実の子は道中に遇ったんじゃないかな」

あぁ、あのフードの…と呟くグルちゃん。そう、あれは私の兄だ。昔から似てはいないと思ったけど…血が繋がってないなんて知らなかった。いや、そもそも…

「実の子供じゃないなんて知らなかった…」

「そうさ？私はお前をワクチンとしてしか見ていなかった」

「ふん……Aが"食事が冷たい"と言っていたのはそこから来ているのか」

私は子供として見られていなかった………ただの道具……お父さんの「駒」だった…。

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「なら、しんでもいいよね」

死んだら皆が喜ぶのなら。